第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2022年11月6日(日) 15:10 〜 16:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-144-C] 在宅医療における保険薬剤師の実態と意識調査

小高 幹雄1, 笹山 瑞紀2, 増富 真美3, 松丸 なつみ3, 吉田 成美4, 盛家 美鈴5 (1.(株)なの花東日本 なの花薬局千歳台店, 2.なの花薬局登戸店, 3.なの花薬局東伊興店, 4.なの花薬局亀戸店, 5.なの花薬局青戸店)

【目的】
高齢社会による在宅医療の増加に伴い、薬剤師を含むチーム医療の必要性が高まっている。一方で他職種が薬剤管理を行っている場合もあり、薬剤師の職能が発揮できているか疑問がある。本研究では薬剤師の在宅医療における取組み方の実態と意識を分析し、今後の在宅医療業務(以下、在宅)・社内研修の質の向上に役立てることを目的とする。
【方法】
2021年11月29日~12月10日の期間で、なの花東日本のH,J,Kブロックの薬剤師を対象に、在宅への不安の有無や知識の習得方法等に関するwebアンケートを実施しデータを集計解析した。
【結果】
70名から回答を得られ(回収率64%)、在宅経験者は76%であった。在宅への不安は、いずれの在宅経験年数でも(1~4年、5~9年、10年目以上)、「ややある」との回答が最も多く(57%、64%、43%)、次いでまたは同率で「不安がある」との回答が多かった(20%、14%、43%)。「全くない」と回答したのは4%で、全て在宅経験者であった。
在宅に関する知識は、70%が所属店舗の同僚から、33%が研修で獲得したと回答した(複数回答)。研修受講者(64%)は、研修では「在宅の流れ」、「医師への処方・減薬提案の方法」「 自店で取り扱いのない栄養剤の知識 」等の理解を深められたと回答した一方、契約の取り方・書類作成など含め「現場を経験しないと理解が不十分」 「研修と実践では全く異なる」との回答もあった(自由記載)。
【考察】
在宅経験年数に関わらず、ほとんどが在宅に不安を抱えていることが明らかとなった。研修だけでは実務に直結しづらいことや、研修以上に同僚からの学びが多いことがわかったため、先輩薬剤師の経験談を聞く機会を設けたり、各店舗での在宅症例を他店とも共有し検討したりするほか、現場同行等の研修を実施することで 、多くの症例を実践的に学ぶ機会が得られ不安解消に繋がり、在宅に取り組みやすくなると考えられる。