第16回日本薬局学会学術総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-148-A] 医療用医薬品添付文書の「包装」項目における「包装単位」記載に関する調査

田中 秀和1, 若林 進2 (1.有限会社あい調剤薬局, 2.杏林大学医学部付属病院)

【目的】
医療用医薬品の添付文書記載要領が改定され、2019年4月1日に5年間の経過措置を伴って施行された(以降、新様式とする)。これまで一部の添付文書において、「PTP 140 錠(14 錠×10)」のような包装単位の記載が無く、「PTP 140 錠」のみとなっているものが存在し、14錠×10なのか、10錠×14なのか、添付文書で実際の包装単位を判別することが困難となっていた。「医療用医薬品の添付文書等の記載要領について」(薬生発0608第1号)には、「22.包装 包装形態及び包装単位を販売名ごとに記載すること」と明記され、記載内容の充実が期待される。そこで、本研究では添付文書の「包装」の項の記載内容について調査を行った。
【方法】
2019年4月~2022年3月の3年間に薬価収載された錠剤またはカプセル剤の添付文書を抽出し、「包装」の項について、新旧様式別に包装単位の記載の有無について確認を行った。調査には医薬品情報サイト・SAFE-DIを用いた。
【結果】
536件の添付文書が抽出され、新様式が9.5%(51件)、旧様式が90.5%(485件)であった。新様式の添付文書のうち、包装単位の記載がないものは存在しなかった。対して旧様式の添付文書のうち、包装単位の記載がないものは44.3%(215件)であった。
【考察】
近年では、医薬品の出荷規制が相次ぎ、他社への変更を余儀なくされる事例も考えられる。錠剤などは包装単位が変更前と異なれば調剤過誤の原因となることが容易に想定でき、患者のアドヒアランス低下にも繋がりかねない。本研究で旧様式の添付文書の44.3%について包装単位の記載が不十分であることがわかった。記載が充実されることにより、発注時の包装確認などが容易となることが予想できる。