第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-153-C] SGLT2阻害薬が腎機能に与える影響について、薬剤師の認識調査

那須 裕之1, 清水 温子2, 平田 純生3 (1.I&H株式会社 DX推進部 運営管理課, 2.I&H株式会社 ヘルスケア開発部 営業課, 3.I&H株式会社 学術研修部 学術課)

【目的】SGLT2阻害薬は急性腎障害(AKI)を減少させること、RAS阻害薬との併用により腎保護効果が高まることが明らかとなった。薬剤師が正しく認識することが重要と考え、現状の認識を調査した。
【方法】2021年8月、11月に平田純生氏がZoomで講演会を実施した。参加者は平田氏のブログや社内の電子掲示板で募集した。講演会の冒頭、Googleフォームにて、8月は「問1 SGLT2阻害薬はRAS阻害薬と併用すると急性腎障害(AKI)を増やす? 増やす/まだわかっていない/減らす」、11月は「問2 SGLT2阻害薬の腎保護効果はRAS阻害薬の併用でどうなると思いますか 効果が高くなる/下がる」「問3 SGLT2阻害薬はeGFR45mL/min/1.73m2未満の患者では有意な腎保護効果は認められると思いますか 有意に改善する/有意な改善は認められない」「問4 SGLT2阻害薬は正常アルブミン尿(30mg/日未満)の患者では有意な腎保護作用は認められると思いますか 正常アルブミン尿でも有意に改善する/有意な改善は認められない」という質問を投げかけ、多肢選択式とした。
【結果】参加者は8月が約100名、11月が約110名だった。回答者は8月が46名、11月が59名であった。正解者は問1(減らす)が12名(26%)、問2(高くなる)が45名(76%)、問3(有意に改善する)が38名(64%)、問4(有意に改善する)が45名(76%)だった。問1の不正解者は「増やす」が17名(37%)、「まだわかっていない」が17名(37%)であった。
【考察】正答率は、問2~4が70%前後であったが、問1は26%と特に低かった。37%の薬剤師はSGLT2阻害薬がAKIのリスクを上げるものと認識しているため、そのような説明により服薬拒否に至る可能性がある。なお、講演会の内容はあらかじめ告知していたため、SGLT2阻害薬に関心のある者の割合が高かった可能性がある。また11月は、過去の講演会の聴講経験を尋ねなかった。したがって、非受講者を含めた実態はもっと悪い可能性がある。