第16回日本薬局学会学術総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 6, 2022 2:10 PM - 3:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-155-B] 後発医薬品推進のためのアプローチ方法の調査と評価

則武 隆佑, 小舟 伴和, 登坂 麻由子, 桑野 絵里奈, 吉沢 浩美, 神田 光騎, 野村 真弥, 田部 美穂子, 飯島 彩香, 佐久間 美祈, 藤田 夏奈 (薬局トモズ 亀戸東口店)

【目的】一人あたりの医療費は年間約34万円。15年後には年間約47万円になると言われている。そのうち22%は薬代であり、国は後発医薬品(以下GE)の使用促進を求めている。当薬局は政府目標値未達である。これまで従業員各々の口頭説明に任せていたが、現状が伝わりにくいと思われた。そこで、GEに変更した場合の1処方分および年間の差額を原則提示し、GE使用に繋がるかどうかを調査し、数字を「見える化」する手法の有効性を評価した。【方法】調査期間は2021年7月9日~2022年1月9日の半年間とした。期間中に来局された先発医薬品(以下先発)を希望している患者を対象者として、1処方分と年間の差額の提示し、医療費の現状を説明後、変更の有無を確認。説明後も先発を希望した患者には理由を訊ねた。その内容を薬歴に記載し、記載内容をまとめた。医師の指示で先発を使用している、または変更不可のサインがある患者は除外した。【結果】調査開始後のGE調剤率は開始前から約5%増加。対象者207人全員に調査を行い、GEに変更した患者(以下GE変更)は86人(41.5%)であった。年代別では20代のみGE変更の方が多かった。先発希望の理由として現状維持を望む声が最も多く約4割であり、GEに嫌悪感がある患者も約2割いた。特に30代以降はその傾向が強かった。【考察】GE調剤率が上昇した結果から年間差額の算出と金額を「見える化」する手法は有効な方法の1つと判断できる。20代はGEへの抵抗が少なく最もGEを勧めやすい。30代以降はGEメーカー不祥事の影響や昔からの薬がいいなどの理由で、現状維持かGEに不信感をもつ患者が多く、AGやGEの安全性を伝えていくことで抵抗を下げる必要がある。自己負担差額がない患者や負担割合0割であっても、医療費の現状を真摯に受け止めてくれてGE変更となるケースがあるため、あきらめずにしっかり説明していくことが必要であり、それが医療費抑制を担う我々薬剤師の使命と考えられる。