第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-162-C] 薬局・ドラッグストアにおける頭痛のセルフメディケーションサポートに関する調査研究

加地 弘明1,2, 高橋 雅美1, 平田 悟史2, 河野 奨1 (1.就実大学薬学部, 2.就実大学大学院医療薬学研究科)

【目的】日本における慢性頭痛の有病率は、2500~5000万人にも及ぶとされている。一方で、2018年の患者調査(厚生労働省)において頭痛で受診した患者数は年ベースで7万人程度であり、ほとんどの慢性頭痛経験者は受診せず放置、或いはセルフメディケーションによりケアする人が多いと言える。そこで今回、保険薬局及びドラッグストアの薬剤師と登録販売者を対象に来局者からの頭痛薬購入相談時の対応及び日本頭痛学会等で紹介されている頭痛スクリーニングツール(以下、ツール)の使用状況を明らかにするために調査を行ったので報告する。
【方法】2022年5月24日~6月17日の期間に、本研究に賛同していただいた5社(ドラッグストア4社、調剤薬局グループ1社)の薬剤師及び登録販売者を対象に、Googleフォームを用いたアンケート調査を実施した。
【結果】422名から回答があり(ドラッグストア勤務者51.9%、調剤薬局勤務者47.6%)、薬剤師は53.3%、登録販売者が46.4%であった。来局者から頭痛薬の相談を受けたことのある者は84.8%、その内、相談件数が6か月間で20件以内であった者が約9割を占めた。頭痛に関する相談を受けた際の対応としては「OTC薬の服用を推奨した」が最も多く(84.6%)、次いで「受診勧奨」(61.5%)であった。一方、ツールについて知っていたと回答した者は、26.8%に過ぎず、さらに実際に使用したことがあると回答した者はわずか5名であった。
【考察】一人当たりの相談件数に差異はあるが、大半の者が来局者による頭痛薬の購入相談に対して対応を行っていることが明らかとなった。その対応として、半数以上の者が受診勧奨を行った経験があると回答したが、同時に自由記述内容から相談者が受診してくれない、或いは説明を十分に聞いてくれないという問題点も浮き彫りになった。来局者の頭痛外来への受診率向上に繋げていくためには、ツールのスタッフへの周知とその活用が鍵となると考えられた。