第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-163-A] ロコモティブシンドロームにおける薬局・薬剤師の介入の検討

松岡 純平1, 大寺 美咲2, 白銀 淳之3, 俟野 文隆4, 松井 洸5, 阿部 真也5, 阿部 誠5, 山口 浩5, 立石 大介5, 吉町 昌子5, 野村 和彦5 (1.(株)レデイ薬局 レデイ薬局詫間店, 2.(株)レデイ薬局 レデイ薬局丸亀城東店, 3.(株)レデイ薬局 レデイ薬局味酒店, 4.(株)レデイ薬局 レデイ薬局中萩店, 5.(株)ツルハホールディングス)

【目的】薬局薬剤師は地域包括ケアシステムにおいて健康の維持増進に寄与することが求められており、健康サポート機能の強化が課題とされている。今回、我々は「健康日本21」の目標に設定されているロコモティブシンドローム(以下「ロコモ」とする)の認知度向上を目的に、薬剤師による支援方法を検討する。
【方法】2019年4月から8月の期間に3つの調査を実施した。まずは当社薬剤師を対象に、ロコモに関する研修資料を配布し、資料閲覧前後にアンケートを実施後、ロコモの具体的内容に関する8項目については1問1点とし、前後を比較した。次に当社主催の健康測定会参加者を対象にロコモ度テスト及び認知度に関するアンケートを実施した。最後に本研究者所属の4店舗にて来客患者を対象にアンケート調査を行いロコモの認知度と生活習慣病との関係について評価した。
【結果】回答者47名中ロコモを認知している者は94%であり具体的な内容の理解については、研修前は3.2点と低かったが、研修後には7.4点に向上していた。測定会参加者53名のうち、認知度は42%であったが測定会参加を通して全員の認知度が向上するとともに測定内容を今後の生活に活かそうと感じたとの回答もあった。患者144名中の生活習慣病患者の63%が身体の疼痛や衰えがあると回答し、認知度は28%という生活習慣病歴無の患者認知度の46%と比べて低い結果がみられた。
【考察】研修資料の配布は薬剤師の理解度向上に一定の効果がみられたが、元々の理解度が低かったため、引き続き薬剤師に向けた啓発活動の拡大が必要と考える。また、健康測定会参加者の半数以上で認知度が低い結果となったため、定期的な測定会開催や周知ポスターの掲示などの継続的な活動が重要となる。さらに生活習慣病患者の多くが身体の疼痛や衰えを感じていたことから、薬剤師が生活習慣病患者の疾病進行予防や悪化防止に関与していくことが必要と考える。