第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-164-B] 糖尿病患者への管理栄養士の食事相談実施による減薬の 症例

内堀 治美 (クオール(株))

【はじめに】糖尿病患者における血糖値のコントロールには薬物療法、運動療法、食事療法が知られている。薬物療法によるコントロールには限界があり、運動と食事が重要である。今回、管理栄養士による食事療法の支援により、臨床数値の改善、減薬に至った事例があるので報告する。
【取り組み概要 】 50代男性、家族と同居、高血圧薬服用中、2021年2月より糖尿病と診断され、糖尿病薬服用開始。患者本人からの減薬希望、処方元ドクター紹介により、管理栄養士による食事相談を実施し、内容を薬剤師に共有した。月1回~隔月に1回の頻度で30分の面談による食事相談を計14回行った。3日間の食事記録から食べる順序、栄養バランス、お惣菜の選び方とアルコール、間食、主食の減量指導を行った。その結果、野菜摂取量の増加、糖質の摂取量およびアルコール、間食の摂取量も減った。臨床数値としてHbA1c8.6%から5か月後には5.9%へ低下し、糖尿病薬メトホルミンが1日1000mgから500mgへ減薬された。BMIについては29.1から9か月後には25.2へ減少となった。現在は受診間隔も2ヵ月に1度の受診でHbA1cは6.1%、BMIは25.9である。
【考察】本事例では、最初から最後まで同じ管理栄養士による関わりで、患者との信頼関係の構築により患者の食事に対する行動変容を促すことができた事例であると考えられる。薬局という気軽に相談のできる場所で、時間をかけて管理栄養士による食事相談を実施することは患者の意欲の維持・向上につながると考える。