第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-168-C] グループホームにおける食事分析から見えた現状と課題に関する報告

中川 裕子1, 清水 慈子1, 風間 卓巌1, 大榎 洋史2 (1.(株)アイセイ薬局, 2.(株)愛誠会)

【目的】グループホーム(GH)で提供される食事は管理栄養士が在籍しているケースが少なく、食事提供に関する介護スタッフの不安や困りごとが多いと報告されている。当社のグループ会社である愛誠会でも食事の栄養バランスに問題がないか不安を抱えていた。そこで解決支援の第1弾として施設の食事分析を実施し、施設の責任者会議で現状と課題を共有し改善案を提案したので報告する。
【方法】対象施設は自立支援介護を目指すGH5施設11ユニットとした。分析期間は2021年10月1~7日。食事内容については施設スタッフが朝、昼、夕、間食を撮影したものを管理栄養士が食材や量を推定、栄養価を計算し評価を行った。評価方法については、推奨量に対する充足率を用いた。推奨量の指標はエネルギー量は自立支援介護で推奨する1500kcal以上、それ以外の項目は日本人の食事摂取基準2020の75歳以上の数値を、男女差がある項目は平均値を用いた。
【結果】11ユニットの平均値と標準偏差はエネルギー量1769.5±178.1 kcal、たんぱく質70.6±7.0g、カルシウム479.3±84.7mg、ビタミンD5.1±1.4μg、食塩相当量12.6±1.1gであった。エネルギー、たんぱく質は充足率は100%を超えていたが、カルシウム、ビタミンDは100%を下回っていた。食塩相当量については推奨量を186%上回っており、塩分過多の状態となっていた。
【考察】各施設ともに一汁三菜のバランスのよい食事、たんぱく質を取り入れることへの意識が高い食事内容であった。一方でコストや調理のしやすさなどからたんぱく源を練り物で提供しているケースが多かったため塩分過多の要因となっていた。課題を受け、改善案として練り物よりも塩分を抑え、カルシウムやビタミンDを同時に摂取できる魚の缶詰の活用を提案した。第2弾として献立の改善度合いと入居者の摂取量を分析し推奨量を維持できるよう支援を継続する。