第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2022年11月6日(日) 15:10 〜 16:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-177-C] 薬剤師補助業務(PA業務)の重要性認識に対する薬剤師と事務員の違い

長尾 有加1, 山本 季美江1, 西城 みゆ希1, 荒木 幸子1, 角野 友子1, 島 可奈1, 近藤 由佳2, 石渡 俊二2, 小竹 武2 (1.(株)フロンティア, 2.近畿大学)

【目的】現在、薬生総発0 4 0 2第1号の通知から、薬局運用に関して、薬局事務員のパートナー(PA)業務に対する重要性がクローズアップされたが、薬剤師と事務員の間でその意識が異なる可能性があり、良好な職場環境を形成する意味でも、その因子を把握しておく事は極めて重要である。
【方法】(株)フロンティアの調剤薬局に勤務する薬剤師および事務員に基本情報および職場環境、PA業務に対する意識について、無記名によるアンケートを実施した。薬剤師と事務員の比較については、Fisherの正確検定、t-検定およびPA業務の重要性因子の抽出に2項ロジスティック回帰分析で解析し、有意確率p<0.05を有意差有とした。
【結果】アンケート有効回答は147店舗(薬剤師501名、事務員387名)であった。基本情報比較(薬剤師-事務員:有意確率p)は性別(女性72%-97%:p<0.001)、勤務形態(常勤77%-79%:p=0.609)、医療現場の通算勤務平均年数(15.6年-11.6年:p<0.0001)、当社の勤務平均年数(9.2年-8.5年:p=0.132)であった。業務量、店舗満足度、人材育成、自己啓発、個人目標、責任感およびPA業務の進展、薬剤師の対人業務の増加の感じ方については、薬剤師と事務員に有意差を認めず、PA業務の重要性の肯定(95%-86%:p<0.0001)に有意差が認められた。PA業務の重要性の肯定における関連性因子として、薬剤師と事務員の違い(p<0.001)、PA業務進捗(p<0.001)、対人業務増加(p<0.001)、人材育成(p=0.002)が有意に抽出された。
【考察】薬剤師と事務員の基本情報は性別を除き、概ね差異はなく、PA業務の重要性認識において大きく乖離していた。また、教育システムの充実あるいは業務が進展していることがPA業務の重要性として認識されており、対人業務増加に連携していることが示唆された。今後、職種間における乖離が、職場環境に及ぼす影響について注視することが課題と思われる。