第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-181-A] 地域保険薬局におけるリカレント教育(臨床講義と批判的吟味の演習)の構築

吉國 雄亮1, 國貞 雄介1, 重森 海希2, 岡田 瑞希2, 長岡 陽南汰2, 猪川 和朗2, 森川 則文2 (1.(株)せいき キタバ薬局, 2.広島大学薬学部 臨床薬物治療学研究室)

【目的】薬局薬剤師が、調剤と地域住民の予防・健康づくり等に必要な情報提供・相談対応等の健康サポート機能に取り組むためには、患者対応力と臨床能力が求められる。しかし、各種学会、薬剤師会主催の研修会の聴講では系統的な学習ができず、Webによる自己学習では個人の習熟度に差がある。さらに、薬局経営者にも雇用する薬剤師のスキルアップおよび認定薬剤師取得が求められる。そこで、薬学部の臨床講義と批判的吟味の演習を活用したリカレント教育を構築したので紹介する。【方法】2015年から毎月1回、第2火曜日の午後20時から広島大学薬学部臨床系教員による薬物療法に特化した講義と演習(延べ79回)、を開催した。開催場所は、自社内講義室及びWeb聴講とし、近隣薬剤師にも聴講可能とした。講義内容は広島大学病院の実際の患者情報(患者百選:約160症例)を基本に保険薬剤師教育用に修正した病態生理と薬剤経済学の講義と演習を2時間行った。講義資料は前送し、テキストを配布した。【結果】2015年から2019年までは、社内薬剤師研修会として継続開催の実績蓄積に努めた。2020年からは、日本薬剤師研修センター(PECS)の認定集合研修会となったことで、研修シールの取得も可能となり、延べ825枚の研修シールを発行した。2019年に当社在籍薬剤師33人中、研修認定薬剤師は16人(修得率50%)であったが、2022年時点で当社在籍年新人薬剤師は19人増加し、研修認定新人薬剤師は19人中16人(修得率84%)となった。【考察】当社内で研修を開催することで研修認定薬剤師の保持率も向上した。研修会場に当社の施設を活用し、開始時刻を20時にしたため、移動時間が節約され、直前まで勤務が可能となった。講義内容は、実践に即した系統的な講義で症状から見た病態生理を学び、演習を通じ、ガイドラインの収集、EBMの活用法、P-drugの作成法を習得し、批判的吟味のスキルを獲得することで症例検討会の質が向上した。