第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-187-A] 頭痛持ちにおける頭痛情報のWeb検索経験および頭痛に関する知識に影響する要因の解明

藤本 卓磨, 岩田 紘樹, 小林 典子, 山浦 克典 (慶應義塾大学薬学部社会薬学部門)

【目的】慢性頭痛に悩む人 (頭痛持ち)は国内で3,000万人と推定され、社会全体の生産性に与える影響は数千億~数兆円とされる。片頭痛で受診経験のある者は約30%に過ぎず、多くはセルフケアであり、頭痛に関する情報は自身で入手せねばならない。現在、Web上には頭痛に関する様々な情報が公開されているが、頭痛持ちがこれら情報を適切に検索・入手し、知識を獲得しているかは不明である。本研究では、頭痛持ちに対し頭痛情報のWeb検索経験および頭痛に関する知識を調査し、これらに関連のある要因を明らかにする。
【方法】調査対象はマクロミル社にパネル登録する20~49歳の頭痛持ちとし、2022年1月26~27日にWeb方式の自記式質問紙調査を実施した。調査項目は、年齢、性別、頭痛初発年齢、頭痛での受診の有無、Web検索経験のある頭痛情報、頭痛に関する知識、ヘルスリテラシー (HLS-14) 、生活支障度 (HIT-6)とし、頭痛に関する知識を目的変数とするロジスティック回帰分析を実施した。(慶應義塾大学薬学部人を対象とする研究倫理委員会:承 211210-1)
【結果】男性337名、女性332名の有効回答を得た (無効回答2名)。頭痛初発年齢の低年齢群 (7-18歳vs 28-49歳)、頭痛経験年数の長期群 (0-5年vs 12-36年)、頭痛受診群およびHLS-14高値群 (52以上)において、頭痛情報のWeb検索項目数および、頭痛に関する知識が有意に高値を示した (いずれもp<0.01)。ロジスティック回帰分析の結果、頭痛に関する知識の多さは、Web検索経験のある頭痛情報の項目数高値、女性(p<0.001)、頭痛初発年齢が18歳以下(p<0.01)、頭痛による受診有、HLS-14高値(p<0.05)であることと有意に関連があった。
【考察】頭痛に関する知識を高めるには、Web上の患者向け頭痛情報の充実や受診での服薬指導時の情報提供の強化が効果的だと考えられる。OTC を求め来局する頭痛持ちに対しては、薬局薬剤師の情報提供による頭痛教育が重要と考えられる。