Japan Association for Medical Informatics

[2-B-1] 診療ガイドラインと医療の質・QIで目指すData-Driven Health

今中 雄一1、奥村 晃子1、嶋田 元2、澤 智博2、佐々木 典子3 (1. 日本医療機能評価機構、2. 日本医療情報学会、3. 京都大学大学院医学研究科医療経済学分野)

Clinical Practice Guidelines, Quality Measurements/Index, Standards

日本医療機能評価機構では、質の高い医療の実現を目指して、患者と医療者の双方を支援するために診療ガイドラインと関連情報を提供している。診療ガイドラインの普及推進に向けた取り組みを共有し、診療ガイドラインとQIのあり方、診療ガイドラインの普及や遵守状況等の評価方法について検討を進めているMindsの最新トピックスを紹介し、今後の展望について報告・議論する。
診療ガイドラインの普及と活用を考える際も、診療ガイドラインで推奨されたエビデンス(知識)をいかに診療現場で実践(適用)できるか、という文脈で検討することが重要である。診療現場での診療ガイドラインの推奨・エビデンスをより広く実践できるようになることを目標として、主要なステークホルダーごとの環境に注目し、実践の状況とその阻害因子を可視化し、エビデンス・プラクティスギャップを縮小し多層的な取り組みについて提案する。
診療ガイドラインと日常診療の格差を数値化する質指標は医療の質の改善を行う上で重要なツールとなり多くの医療機関で使用されている。患者の価値観や好みに応じた患者中心性は医療の質を構成する要素の一つであるものの、診療ガイドラインに組み込み推奨を出すことは容易なことではない。このような患者中心性を評価する患者経験や患者報告アウトカムのデータを用いて、医療の質を可視化し改善を行った事例を紹介する。
近年、診療ガイドラインの活用状況について医療の質指標によるモニタリングの試みがなされている。米国ONCでは、エビデンスの生成→診療ガイドライン策定→CDSSによる診療ガイドラインの提示・適用→質測定→レポーティングの一連の流れをecosystemとして構築することを目指している。また、米国CMSでは、QIをIT基盤により計測することを実施している。本ワークショップでは、診療ガイドラインに関する最新の話題提供とガイドライン活用度と医療の質やQIを通してData-Driven Healthでの位置づけについて議論する。