Japan Association for Medical Informatics

[2-F-2-01] 生活習慣病の療養支援のための外来プロセスシートの構築

大崎 一生1、春口 誠治2、山田 謙治3、脇山 さお理4、吉田 真理5 (1. 公益社団法人福岡医療団IT企画室, 2. 千鳥橋病院糖尿病内分泌内科, 3. 千鳥橋病院電算室, 4. 千代診療所看護, 5. 株式会社両備システムズヘルスケア事業部基幹システム部)

Outpatient process sheet, Lifestyle disease, Patient medical guidance

【目的】生活習慣病は、継続的な管理が必要な疾患である。その継続的な支援を行いやすくするために、糖尿病をモデルに外来プロセスシートを構築した。2019年2月より運用を開始したので報告する。

【方法・対策】当院では、以前より生活習慣病管理を継続的に行ってきた。それをさらに発展させて、外来プロセスシートを構築した。外来プロセスシートは、1つの画面で以下の内容を12ヶ月分確認できるようにした。この外来プロセスシートを利用するために、特別な入力が極力ないように電子カルテのデータを利用できるようにした。
 〇対象疾患の特徴的な指標を、今回は糖尿病であるため、HbA1c、体重、BMIなどをグラフ等で視覚的にも表示できるようにした。(グラフだけは3年表示も可能。)
 〇薬品と投与量、検査結果の値を表示できるようにした。対象薬品、検査項目は疾患毎に変更できるようにした。
 〇インスリンは、朝、昼,夕、夜間の注射の機会に合わせて、その注射量が把握できるようにした。そのため、インスリンの入力方法も変更を行った。
 〇栄養指導や入院、他科(眼科)受診などの情報も参照できるようにした。
 〇表示する項目はマスタ化して、多様な疾患に容易に対応できるようにした。

【結果】①オーダ入力画面を起動時に、必ずこの外来プロセスシートが起動して経過を確認して診療できるようになった。②特徴的な指標となるグラフは、単独で印刷して患者の渡すことができるようにした。患者の治療のモチベーションに有効であった。③この外来プロセスシート項目をダウンロードができるようにして医師等の症例のまとめにも活用できるようにした。

【考察・まとめ】このシステムによって、患者への療養指導がしやすくなったという報告を受けた。特に、患者からは、グラフは自分の経過がよくわかるという感想が寄せられた。今後、糖尿病以外の疾患でも利用できるように改善を進めていく予定である。