Japan Association for Medical Informatics

[2-I-1-05] 国内の標準マスターのFHIR Terminology Serviceへの移植の試み

木村 映善1、上中 1 上中 進太郎2、古薗 知子2 (1. 国立保健医療科学院, 2. インターシステムズジャパン株式会社)

FHIR, Terminology, REST API

【背景】これまでのFHIRに関する研究から得られた知見の一つが、国内の統制用語集をFHIRに適合させる作業の必要性である。現時点でSNOMED-CT等の国際統制用語集がFHIRのTerminology Serviceモジュールに組み込まれ、標準的な統制用語環境として稼働している。我が国では標準マスターで運用されているため、まずFHIRの環境に適合させたうえで、次の段階として国際統制用語集へのマッピングを定義する2段階の取り組みが必要である。かつ我が国の電子カルテや検索ツールの利用に供するような機能の実装が必要である。

【方法】FHIR R4の仕様に準拠してMEDIS標準病名マスタをもとに統制用語集を定義するCodeSystem、値集合を定義するValueSet、概念のマッピングを記述するConceptMapを生成するプログラムを開発する。FHIR Serverに生成した各リソースを組み込み、検索やマッピングが可能かを検証する。

【結果】FHIR Serverでコード・表記による検索、ICD-10コードへのマッピング処理が可能であった。MEDIS標準病名マスターへのICD-10の対応は概念の粒度が考慮されていないため、全て'equivalent'属性でのマッピングになった。現在の電子カルテシステムで提供されているような検索に相互運用性のある形で対応するために検索パラメータを定義するProfileと、そのProfileに相当する処理を既存のFHIRサーバに組み込む必要があることが確認された。