Japan Association for Medical Informatics

[3-E-2-05] 病棟での端末利用から見える業務負荷とその軽減法

脇坂 仁1 (1. 防衛医科大学校医療情報部)

現在の病棟の看護業務には医療端末による確認や記載作業が必ず紐付けられている。記録を残すことは医療行為の記録であり証跡なので避けることはできない。この記録作業が実際どのように行われているのか、時間帯や入力機器の種類、また他職種との関連性といった観点から多角的な分析を行うことは有意義だろう。カルテの自由記載欄への入力は選択肢を選ぶ方法に比べ入力に時間を要する。当然入力者は業務負荷が比較的軽い時間帯、ないしは必要に迫られてシフトの交代時間直前に自由記載を行いたいと考えるだろう。病棟の入力機器はゆっくり座って入力できる大きな画面のデスクトップ型と無線接続で移動可能なノート型、そして携帯端末の三種類がある。デスクトップ型は比較的医師の利用が優先される傾向がみてとれる。携帯端末からのテキスト入力は利用世代による警報はあると思われるが、煩雑であり、コピーアンドペーストの手間もあり負荷は高い。看護業務の場合医師の業務に比べ定型的な記載の割合が多くなると考えられる。ほとんど看護師が利用する携帯端末で必要が評価記載ができるようなツールを準備すれば、入力待ち行列の解消につながるだろう。携帯端末からの入力をテンプレート中心の選択式入力に指向すれば待ち行列最適化が可能となる。配布端末の構成の見直し、および配置(安定した無線環境や椅子などのサポート装置)などを導入することで負担軽減につながり、電子カルテ記載の補助デバイスとして非常に有効となるだろう。