Japan Association for Medical Informatics

[3-J-1-03] DWHの利用実績からみる電子カルテデータ二次利用状況の変化

村田 泰三1、武田 理宏1、藤井 歩美1、向井 頼貴1、真鍋 史朗1、松村 泰志1 (1. 大阪大学医学部附属病院 医療情報部)

DWH, Datamart, Electronic medical record

当院では、1995年より病院情報システムに登録されたデータを分析用データベース(DWH)へ蓄積している。2010年には、オーダ情報のみならず、ペーパレス電子化カルテとなり、診療記録がすべてDWHの蓄積対象となった。DWHのデータは、2019年6月現在、約28億レコードが約300テーブルに分かれて存在する大規模なデータベースである。これまで、臨床研究支援などの二次利用の取り組みとして、診療情報の抽出代行サービスを実施している。また、DWHから必要な情報を自動抽出し、新たなデータベースを生成するデータマートの仕組みも導入している。
 我々は、これらの二次利用サービスを10年以上継続してきた実績がある。そこで、当院での二次利用サービスの実績を見直し、ニーズの変化を捉えるために、現況評価を行った。
抽出代行サービスは、2008年度116件、2012年度500件、2018年度795件であった。2012年度の依頼内容は「統計」が135件(27%)、「症例検索」が326件(65%)、「データ集積」が39件(8%)であった。2018年度の依頼内容は、「統計」が194件(24%)、「症例検索」が418件(52%)、「データ集積」が183件(23%)で、「データ集積」が大きく増加した。
 データマートの作成は、2010年度(初年度)が48件、2012年度が150件、2018年度が359件であった。2018年度のデータテーブルを調査すると、複数のデータテーブルを扱ったものが118件(33%)であった。データテーブルの利用頻度は、上位からテンプレートが94件(18%)、薬剤オーダが78件(15%)、入院関連が58件(11%)、問診票が54件(11%)、経過記録が43件(8%)と続いた。近年では疾患レジストリを意識したデータマート作成依頼が増加していた。