Japan Association for Medical Informatics

[3-P2-3-02] 医療コミュニケーションアプリ「Join」の大分県の利用状況

安達 将司1、下村 剛1、宮本 伸二2、立川 洋一3、安徳 恭彰1、後藤 芳美1、園田 浩富1、甲斐 修1、穴繁 友里1 (1. 大分大学医学部附属病院医療情報部, 2. 大分大学医学部心臓血管外科学講座, 3. 社会医療法人敬和会 大分岡病院)

medical communication application, DICOM, Regional Medical Information System, VPN

【1. 背景・経緯】大分大学医学部附属病院では、2018年3月より医療コミュニケーションアプリ「Join」を導入し、医用画像を含めて様々な医療情報も共有できるセキュリティの高いチャットシステムを確立した。本システムは「医薬品医療機器等法」における医療機器プログラムとして認証されており、診療における使用を担保されている。大分県全域での利用が始まっており、その利用状況と今後の展望を報告する。

【2. 利用状況】2018年3月~2019年4月における本院での利用状況を報告する。利用者は272人、最多は医師の208人であり、本院の医師全体の約30%にあたる。利用内容については、チャット総数は6628件(1月あたり500件、多い診療科から2287、921、790件と続く)。DICOM画像の登録数は381件(1月あたり30件)。カメラで撮影した写真は600件(1月あたり50件)。診療科によって違いはあるものの毎月一定数利用されている。心臓血管外科を中心とした病院間連携も開始されており、493件のチャットが行われている。

【3. 考察】連携病院も含めた医師やコメディカルは、院内外からスマホやタブレット端末を使って情報共有を迅速に行うことによりチーム医療を円滑に行える。専門医は、院外から当直医やコメディカルと詳細なコミュニケーションに基づく指導、指示が行え、病院で勤務する時間の短縮効果があり、働き方改革にも貢献できると考えられる。そういった利点をいかすため、大分県における病院間でのJoin利用促進を図り、患者対応の迅速化,適切化を目的とする協議会を立ち上げた。この協議会で事前に協定や運用を決定することで、アプリの利便性がさらに向上すると考える。共同研究への参加により、2019年度までは費用負担はないが次年度以降の費用負担が課題となっている。また、匿名化の方法や病院間連携における手続き等の問題についても報告する。