Japan Association for Medical Informatics

[4-I-1-02] 病院情報システムの更新 -システム強化と問題点-

木村 哲也1、橋本 悟1 (1. 京都府立医科大学附属病院)

京都府立医科大学附属病院では2001年にオーダーリングシステム、2008年に電子カルテシステムを導入した。令和2年1月のシステム更新が3世代目の電子カルテシステムとなる。更新のたびに予算が削られる中、前回更新時には継続利用していた機器の更新や、今回更新予算を獲得する上での必須事項を満たさなければならなかった。よって追加の新機能や、診療現場の要望を聞き入れるためのカスタマイズを導入するには困難を極めた。厳しい状況の中、まず導入コスト削減のため調達については電子カルテシステム、各種部門システム、ネットワーク、ハードウェアを個別調達(27種類)とした。
今回のシステム更新で行う強化点については特に以下の5点を解説したい。
附属病院の一つである北部医療センターと電子カルテサーバーのレプリカデータベースを相互補完するBCP対策を行い、サーバー室が損傷を受けても止まらないネットワークとカルテ参照を可能とした。
看護の医療安全と業務省力化を目的に体温計、血圧計、パルスオキシメータ、血糖測定器についてバイタルデータ取り込み連携を実現した。
従来から病理検査については悪性結果の場合のみ、2名までの通知者にTODO通知を行っていたが、今回、放射線検査、病理検査の結果レポート通知と既読管理機能を導入した。
今後各部門システムから情報伝達がさらに必要になると考えられるため、TODO通知を送信する汎用連携機能のカスタマイズを導入した。
現在診療現場からの細かな要望に応えるためEUCシステムを構築しているが、システム更新によりベンダーシステムに移行可能かの洗い出しと、さらなる要望に応える新規EUCをどのように管理するか検討した。
それぞれの内容について導入における経過および問題点をあげ、解決に向けた院内調整、進捗を報告し、議論の場としたい。