2018年秋の大会

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一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 203-1 加速器・ビーム加速技術

[1L07-09] ビーム計測と加速器技術

2018年9月5日(水) 14:45 〜 15:35 L会場 (D棟 D12)

座長:近藤 孝文(阪大)

15:00 〜 15:15

[1L08] 6 MVタンデム加速器質量分析装置における難測定核種41Caの高感度検出技術の進展

*笹 公和1、細谷 青児2、高橋 努1、高野 健太1、落合 悠太1、大浦 泰嗣3、末木 啓介1 (1. 筑波大、2. 量研機構、3. 首都大東京)

キーワード:カルシウム41、加速器質量分析法、6 MVタンデム加速器

筑波大学6 MVタンデム加速器質量分析装置を用いて、難測定核種カルシウム41 (41Ca: 半減期10.4 万年)の高感度検出技術の開発を進めている。41Ca-AMSでは、CaF2試料から負分子イオン41CaF3-を引き出しており、ビーム電流値として500 nAを得ている。加速電圧6.0 MVにより、これまでは44.5 MeVの41Ca7+を利用していたが、現在は荷電分布の割合が高い41Ca5+を32.5 MeVに加速して5枚電極型ガス電離箱で検出している。5価の荷電数にすることでビーム透過率は7%に向上して、41Caの検出下限として41Ca/Ca < 3 × 10-15を達成した。測定精度は同位体比9.76 × 10-12の標準試料に対して約3%となっている。国内で初めて難測定核種41Caの高感度な直接検出を実現しており、現在は隕石試料の分析などに利用されている。