2020年秋の大会

講演情報

一般セッション

IV. 原子力プラント技術 » 403-1 リスク評価技術とリスク活用

[2L01-06] PRA新手法

2020年9月17日(木) 10:00 〜 11:45 L会場 (Zoomルーム12)

座長:井手 善広 (アドバンスソフト)

11:15 〜 11:30

[2L06] リスク概念を取り入れた原子力損害賠償の社会的費用モデル

有限責任原則下でのモラルハザード問題回避の可能性に関する考察

*三宅 貴志1、張 承賢1、高田 孝1、山口 彰1 (1. 東大)

キーワード:リスク評価、原賠法、モラルハザード、最適化

原子力損害賠償制度に関する論点として、事業者責任集中・無限責任・無過失責任などが指摘されている。本研究では、それらの論点についてリスクの観点から分析を行い、新しい規制基準の下での事業者の自主的・継続的安全向上の取組みや、確率論的リスク評価の実施状況を踏まえた原子力発電の社会的費用モデルを構築し、定量的考察を行った。
また、有限責任原則下においては安全対策について企業のモラルハザードが発生するという問題(Judgment Proof Problem)について、そのモデルを用いてリスクの観点からの分析を行った。
その結果、企業の安全投資が事故リスク低減に効果的に寄与すれば、社会的費用を最小化する適切な安全投資水準が実現でき、モラルハザード問題が回避できる可能性があることを示す。