2021年秋の大会

講演情報

一般セッション

VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[1L07-14] ブランケット材料

2021年9月8日(水) 14:45 〜 17:00 L会場

座長:向井 啓祐 (京大)

15:30 〜 15:45

[1L10] Li4SiO4 -Li2TiO3混合セラミックス試料のトリチウム脱離挙動

*平田 詩織1、芦沢 京祐1、小山 優輝1、孫 飛2、周 啓来3、小林 真4、大矢 恭久1 (1. 静岡大院、2. 合肥工業大学、3. 武漢理工大学、4. 核融合研)

キーワード:混合セラミックス、トリチウム挙動、ブランケット

核融合炉ブランケットではリチウムと中性子の反応によってトリチウムの生成を行う。Li4SiO4はリチウム密度が高く、Li2TiO3はトリチウム回収がしやすいことから共に固体増殖材として注目されている。本研究ではこれらの二つの材料の長所を兼ね備えることを期待したLi4SiO4-Li2TiO3混合セラミックス材に注目して、Li4SiO4-Li2TiO3とLi4SiO4-2Li2TiO3のペブル状試料への中性子照射を行った。照射量の影響を評価するため、Li4SiO4-2Li2TiO3については中性子照射量を変えた試料を用意した。これらの試料に対し、室温から1113 Kまで昇温速度を5 – 20 K min-1と変えた際のトリチウム脱離挙動を昇温脱離法にて測定した。脱離挙動の解析から、Li4SiO4-2Li2TiO3の脱離における活性化エネルギーはLi4SiO4-Li2TiO3よりも小さく、トリチウムを放出しやすいことが分かった。また、Li4SiO4-2Li2TiO3の活性化エネルギーはLi2TiO3の活性化エネルギーに近く、拡散過程に律速された放出であると予想された[1]。発表ではLi4SiO4-Li2TiO3比を変えた実験についても併せて報告する。

参考文献
[1] Qilai Zhou et al., J. Nucl. Mater. 522 (2019) 286-293.