2021年秋の大会

講演情報

一般セッション

IV. 原子力プラント技術 » 401-2 原子炉の運転管理と点検保守

[2F15-18] 原子力発電所の運転管理技術の高度化

2021年9月9日(木) 16:30 〜 17:45 F会場

座長:五福 明夫 (岡山大)

16:45 〜 17:00

[2F16] EBSDによる材料損傷の詳細評価

粒内方位差同定誤差の低減方法の提案

*前川 直子1、釜谷 昌幸1 (1. INSS)

キーワード:電子後方散乱回折、塑性ひずみ、材料損傷評価、方位差

EBSDによって塑性ひずみ、疲労やクリープなどの材料損傷の程度が推定できることが示されている。しかし、それらは経験的なもので、標準の測定方法が規格化されているわけではない。損傷量の推定には、EBSD測定によって得られる結晶方位差データから算出される方位差パラメータが用いられる。方位差パラメータの算出過程には、いくつかのしきい値を設定する必要があり、それらの値の任意性が測定の標準化の障害の一つとなっている。本研究では、粒内方位差の同定方法について、新たな手順を提案した。結晶粒界のしきい角度として一般的に5度が用いられるが、いくつかの結晶粒は正しく判定できない。しきい角度を変更しても、同じ結晶粒を別の粒と判別するという問題などが生じる。結晶粒同定の失敗は、粒内方位差の誤差の要因になる。本研究では、正しく同定できなかった結晶粒を粒内方位差の算出から除外する手順を開発した。これにより、任意の粒界定義のしきい角度に対して、同様の粒内方位差が得られることを示す。