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[2H06] 角度相関変化を利用したカスケード核種局所周辺pHの量子センシングと核医学イメージングへの応用
キーワード:核医学、角度相関、二光子核種、量子センシング
我々のグループでは、複数のガンマ線を同時に放出するカスケード核種を用いて核医学診断を高精度化するDPECT(Double Photon Emission CT)の開発を行なってきた。二光子核種から放出される2つのガンマ線間には角度相関があり、これは核種周辺の局所的な環境に依存する。本研究では、カスケード核種の角度相関変化を測定することで、放射性同位元素周囲のpHや化学状態を検出する新しいセンシングおよびイメージング手法を提案、検討する。原理検証実験にあたり、111InCl3水溶液を異なるpH環境へ調整し角度相関変化を測定、pH3以上の環境では180度方向付近への放出が5%程度の上昇、90度方向付近での放出は5%程度の低下を観測した。測定された角度相関変化度合いをSPECT技術に応用することで、イメージングによる位置分解と角度相関によるpH分解を同時に行うことに成功した。