2024年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 502-1 原子炉材料,環境劣化,照射効果,評価・分析技術

[2C10-15] デブリ

2024年3月27日(水) 14:45 〜 16:25 C会場 (21号館2F 21-205)

座長:中村 勤也(電中研)

15:30 〜 15:45

[2C13] 燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明

(4)Fe-Zr高温融体とステンレス鋼反応による金属デブリ形成機構評価

*伊藤 あゆみ1 (1. 東工大)

キーワード:金属デブリ、シビアアクシデント、非等温反応、福島第一原発

福島第一原子力発電所事故では、下部プレナムに移行した燃料デブリが崩壊熱によって再溶融した際に、金属濃度の高い溶融物(金属プール)が形成されて圧力容器を破損させた可能性がある。本研究では、金属プールの元となる金属デブリの形成挙動を理解するため、あらかじめ高温水蒸気で表面に酸化膜を作成したステンレス鋼(1180℃)に、1450~1600℃の高温溶融金属(Fe-Zr合金)を落下させる試験を実施し、ステンレス鋼の破損状況を評価した。その結果、融体温度が1500℃以上においてはステンレス鋼酸化膜(FeCr2O4主相)が融体に酸化されてZrO2に置き換わり、かつ、酸化膜中を共晶溶融物が通過してステンレス鋼を大きく破損することがわかった。酸化膜のある構造物を金属溶融物が侵食する過程をモデル化するための知見を得ることができた。

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