2024年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 501-1 基礎物性

[2E14-18] 高温ガス炉・基礎物性

2024年3月27日(水) 15:35 〜 16:55 E会場 (21号館3F 21-313)

座長:牟田 浩明(阪大)

15:35 〜 15:50

[2E14] 高出力密度高温ガス炉におけるマルチフィジクス挙動

(1)燃料母材の事故時ふるまい

*西村 洋亮1、グバレビッチ アンナ2、吉田 克己2、高松 邦吉3、岡本 孝司1 (1. 東京大学、2. 東京工業大学、3. 日本原子力研究開発機構)

キーワード:燃料安全性、高温ガス炉、炭化ケイ素、反応焼結、空気侵入事故

次世代炉として位置付けられる高温ガス炉において、炉心出力密度の増大化と事故時の安全性向上をねらいとして、SiC母材を用いた革新燃料の開発が進んでいる。本研究では、反応焼結法を採用した高密度SiC母材の予備的製作を元に、その熱的・化学的物性値を測定した。原子炉材料にとって重要な物性値の一つである熱伝導率は、高温ガス炉の通常運転時に燃料最高温度が許容値を超えないことを十分に満足する値を示した。また、SEM, XRD分析により未反応のCおよびSiがSiC母材中に残存していることを確認した。およそ10 wt.%ほど含まれる残存Siが、代表的な事故事象である空気侵入事故時の燃料の高温酸化挙動に与える影響を実験により調べた。結果として、SiリッチなSiC母材はその耐酸化性能が大きく向上し、1400℃の事故時においても腐食せず燃料安全性を担保できることが示された。結論として、高温ガス炉高出力燃料のためのSiC母材開発には、反応焼結法が適用可能であること、またその性能評価からSiリッチな化学組成はむしろ事故時の燃料健全性を高めることが示唆された。

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