2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[142]-[150]

2020年11月8日(日) 09:00 〜 12:20 第V会場

司会:津々見 崇(東京工業大学)、角 哲(名古屋市立大学大学院)

09:40 〜 10:00

[144] 熱海市総合開発計画構想案(高山プラン)(1960)に基づく高度経済成長期の熱海市都市計画の展開

○西川 亮1 (1. 立教大学)

キーワード:観光開発、高度経済成長期、眺望地益権、熱海、高山英華、高度地区

本研究は、これまで都市計画の不在と乱開発が指摘されてきた1960年代の熱海市を対象に、都市計画の展開を明らかにするものである。熱海市では、高山英華が手がけた総合開発計画構想案(通称「高山プラン」)が1960年代の都市計画の指針となった。計画はマスタープランとして位置付けられ、都市計画法を根拠とする内容と観光施設整備など法的根拠を持たない内容の両方を組み入れた総合的なもので、多くの事業や都市計画決定が実施された。住民による海岸景観保全運動や行政と住民との間で眺望地益権の保護契約締結など、海岸景観への意識も高かった。しかし、市街地については、美観地区や高度地区など高山プランで記されたものの、都市の建築が作り出す景観に対する規制は実現されなかった。