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[34] 衰退する地区の条件
-岡山市に発生する空き家に着目して
キーワード:衰退する地区、空き家、空き家率、地域格差
地方都市である岡山県岡山市を事例に,地区(町丁目)単位の空き家率の実態を把握するとともに,空き家が相対的に多く,衰退する地区の都市内の位置づけを明確にする.次に,それら地区をタイプごとに分類し,現地調査することによって衰退地区の条件を整理する.得られた結果は以下の通りである.1)空き家が顕著に多い衰退地区(空き家率10%以上)は,全地区の約4%と限定的であるとともに、空き家率の偏りも大きく、空き家問題にも地域格差が生じていた.2)衰退する地区の条件は、共通条件として「インフラ」、個別条件として「立地」,「急斜面」,「歴史」が存在した.共通条件と個別条件が組み合わさることによって空き家率の高い衰退地区が発生していた.一方で、3)現行の空き家対策は個別の対症療法であって原因療法ではないため,衰退地区の根本的な対策にはならない等の限界があることも指摘された.