13:30 〜 13:50
[54] 谷中地域における街並み誘導型地区計画策定プロセスにみる「谷中らしさ」の継承の課題と対応
キーワード:地区計画、密集市街地、都市計画道路、壁面位置指定、形態規制
本研究の目的は、街並み誘導型地区計画(以下、街並み誘導型)の適用における市街地への効果や影響の課題に基づき、長年、「谷中らしさ」の継承に向けた取組みが進められている谷中地域の街並み誘導型の策定プロセスを対象とし、「谷中らしさ」の継承に向けた課題と、その課題への対応を明らかにすることを目的とする。また、谷中地域から得られた知見に基づき、密集市街地において、地域らしさの継承の観点からみた街並み誘導型の策定プロセスの留意点を示す。 まず、東京都区部の密集市街地の改善に向けた街並み誘導型の適用実態を網羅的に整理し、傾向を把握するとともに、谷中地域の街並み誘導型の特徴を示した。次に、谷中地区における街並み誘導型の形成の背景や経緯、都市計画審議会における形態規制の決定要因を分析することで、谷中らしさの継承における課題と対応を整理した。街並み誘導型策定プロセスにおける「谷中らしさ」の継承を実現するため、制度の適用範囲の縮小や形態規制の強化が行われた。また、密集市街地における街並み誘導型の策定における留意すべき点として、地域らしさの要素を各主体による早期の共有及び街並み誘導型の適用範囲の検証が示された。