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[212] SPDEを用いた雨量推計にもとづく流出抑制率の試算に関する研究
-東京都西部(八王子市)を流れる浅川流域を対象として
キーワード:雨量推計、流出割会、空間統計手法、SPDE、INLA
本研究の目的は、雨量を1kmメッシュレベルで推計し、各々のメッシュ内の土地利用を変更することにより、どれだけの流出量を減じることができるか検証することである。対象とする河川は東京都西部(主に八王子市)を流れる浅川流域とする。用いるデータは、東京都水防災総合システムのポイント観測データある。雨量推計手法として、空間統計解析手法であるSPDEとINLAである。3つのシナリオに基づき推計したところ、全体で数%程度の流出抑制が達成できることをあきらかにした。もし、この程度では想定外の豪雨には不十分という判断に基づけば、はやり、都市計画的アプローチとしては安全な高台への移転、河川管理的アプローチとしては河川改修などの土木工事が必要であろう。確かに土地利用計画と連動した治水対策は重要であるが、短期に差し迫る災害に対しては、治水施設整備などの構造物対策が求められる。長期と短期に分けた戦略的な対応と、広域計画に基づく自治体および関係機関の連携の重要性を、改めて強調しておきたい。