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[125] 越境施設利用からみた隣接自治体依存構造の空間分析
キーワード:越境、地域施設、アクセシビリティ、都市拠点計画、広域連携
本研究は,日本全国の自治体を対象として,自治体の境界を越えた施設の越境利用による移動距離の越境有効度を分析するとともに,自治体内の施設数や分布との関係を調べ,自治体間の依存関係を分析し,越境有効度の大きい相手先の分布から全国自治体を分類することを目的とする.その結果,第一に,最近隣施設を利用した場合,約10%の人口が越境利用の場合の利用距離が短く,越境が優位な場所では3割程度の越境有効度が確認できること,第二に,施設が充実していない自治体ほど越境有効度が大きいが,施設が充実していても人口と施設配置の乖離などの原因により越境有効度が大きい自治体も存在すること,第三に,越境施設利用の面において他自治体に依存する自治体・依存される自治体は全国に分布しており,地方部では越境方向がある程度絞られる一方,大都市周辺においては越境先が分散していて,より多くの自治体との関係の考慮が必要であることが明らかとなった.これより,今後の計画策定時に考慮すべき規模と相手先を把握することが可能となる.