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[129] 平成の大合併における自治体隣接関係の変化と遠隔型連携の可能性
キーワード:行政界、市町村合併、自治体隣接、広域連携、デジタル化
これまでの広域行政では,連携相手として地理的隣接や県内を前提に置くことが多かった.一方で,デジタル化が進み,このような地理的制約が弱くなる.本研究の目的は,市区町村隣接関係の変化という観点から平成の大合併を検証し,遠隔型連携の有効性を明らかにすることにある.具体的に,次の三点を実施する.第一に,平成の大合併により失われた旧自治体の隣接関係,広域連携により生じた空間的齟齬を定量化する.第二に,平成の大合併にて越境合併のハードルが高かったこと,合併後の越境連携事業の展開の困難さを数値化する.最後に,地続きや県域限定の前提と比べて,遠隔型連携が,組む相手の選択肢の豊富さなどで優れることを組み合わせ論に基づいて計量化する.
外部性や移動抵抗を考えると,広域連携では,地理的に一体性を有する地面でつながる隣接が本質である.そこで本研究では地理的隣接性の影響を抽出する.そのため,人口規模や面積,人流や物流の流動性,通勤・通学などを考慮しない.広域連携では施策内容を想定せず,また市町村合併でも編入と新設とを区別せず,自治体の組み合わせのみに注目する.
外部性や移動抵抗を考えると,広域連携では,地理的に一体性を有する地面でつながる隣接が本質である.そこで本研究では地理的隣接性の影響を抽出する.そのため,人口規模や面積,人流や物流の流動性,通勤・通学などを考慮しない.広域連携では施策内容を想定せず,また市町村合併でも編入と新設とを区別せず,自治体の組み合わせのみに注目する.