日本認知心理学会第15回大会

講演情報

口頭講演

思考・言語

[O7] 口頭7 《思考・言語》

2017年6月4日(日) 14:30 〜 16:00 口頭発表会場2 (515教室)

座長:粟津 俊二(実践女子大学)、眞嶋 良全(北星学園大学)

15:15 〜 15:30

[O7-04] 個人内で集合知を生み出す認知的手法の提案

*藤崎 樹1、本田 秀仁1、植田 一博1 (1. 東京大学大学院総合文化研究科)

キーワード:推定、視点の切り替え、集合知

近年、集合知を個人内で擬似的に生み出す手法が提案されている。ある問題に対し、同じ人物に複数回異なる推定を促し、値を平均化することで正確な推定を獲得するというのがその手法である。しかし、先行研究で提案された手法は、必ずしも簡便なものとは言いがたい。そこで本研究では、「視点の切り替え」に基づく簡便な手法を代替案として提唱する。二つの実験を通じて以下の三点が明らかになった。まず、本研究の手法は、先行研究の手法以上に正確な推定を生むものであった。次に、より重要な点として、先行研究の手法を与えた群に比べ、本研究の手法を実施した群では、参加者はより素早く推定を行ったことから、認知的に容易なものであることが示唆された。さらに、本研究の手法は、推定に対する自信がもたらす悪影響を軽減するものであることが分かった。以上から、本研究の手法は、効率的かつ効果的に個人内で集合知を生み出す手法であることが示された。

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