日本認知心理学会第15回大会

ご挨拶

 日本認知心理学会第15回大会を,慶應義塾大学 三田キャンパスにおいて,2017年6月3日(土),4日(日)の二日間にわたり開催いたします.例年よりもやや早い開催時期となり,発表の申し込み,抄録の提出など慌ただしいかと思いますが,その代わりに梅雨に入る前の晴天を期待したいと思います.
 心理学を取り巻く最近の状況を考えてみると,さまざまな隣接領域との境界が曖昧になり,認知心理学もその独自性をどのように示していくのかが問われているように思われます.一方で複雑化する社会は,人間の認知特性が重要な位置を占める現実的な問題を投げかけてきます.認知心理学は,社会的な要請にこたえつつ,精神,心理に関する諸科学の中での位置付けを確保するための正念場にいるように感じます.
 そのような状況の中で,日本認知心理学会の大会も第15回目を迎えました.今回の大会を,認知心理学の隣接領域との関連や独自性について振り返り,今後進んでいく方向を考えるきっかけにできればと考えています.そのような観点から,いくつかのシンポジウム,ワークショップを企画しております.会員の皆様にはぜひ積極的に参加され,議論を盛り上げていただければと思います.
 また,学会の大会の成否はシンポジウムやワークショップなどの企画以上に,個別発表の質と数によって決まると考えております.ぜひ会員の皆様の多くの口頭発表,ポスター発表によって,認知心理学が進むべき道筋を示していただきますようお願い申し上げます.
 会場の慶應義塾大学三田キャンパスは,特に代わり映えのしない都会の中の立地ではありますが,東京駅,品川駅,羽田空港からも近く,交通の便には恵まれています.準備委員一同,皆様に快適にお過ごしいただけるよう努力をしております.梅雨入り前のひとときを三田の山で研究成果の発表と交流でお過ごし頂きたく,皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております.
 
2016年12月吉日
 
日本認知心理学会第15回大会 大会準備委員会
委員長 伊東 裕司 (慶應義塾大学)