日本教育心理学会第56回総会

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ポスター発表 PB

(501)

2014年11月7日(金) 13:30 〜 15:30 501 (5階)

[PB092] 小学校5年生時の遊び経験と青年期の社会性との関連 (2)

リーダーシップの形成

門田幸太郎1, 光浪睦美2, 王松3, 久木山健一4, 神藤貴昭1, 伊藤崇達5, 小石寛文2 (1.立命館大学, 2.神戸学院大学)

キーワード:社会性の発達, 遊び経験, 青年期のリーダーシップ

目的、方法
本研究の目的と方法は、前述と共通しているが、ここでは、とくに、小学校5年生時の遊び経験と青年期のリーダーシップの形成との関連を取り上げた。

結果と考察
・リーダーの有無 いっしょに遊んだグループでのリーダーの有無、そのリーダーは自分か自分以外(年上か同じ年か)と聞いたところ、前者では2:3、後者では、1:9:12の比率となった。
・リーダーシップ リーダーシップの課題遂行(P)機能と集団維持(M)機能の現れ方が親しい集団と親しくない集団とで異なるのではないかという視点から、親しい集団でのP機能とM機能、親しくない集団でのP機能とM機能を問う質問項目により4群のリーダーシップタイプを作成した。
分析の結果、4群間の相関がみられた。
・リーダーシップと遊び集団経験と社会的スキル 4群ともに遊び集団経験(集団主義的行動、自主的行動、異年齢行動)と社会的スキルとの相関が高いという結果になった。ただし、遊び集団経験での特徴的な結果としては、親しい集団と親しくない集団でのP機能と異年齢行動で相関がみられなかった。年齢の異なる子と遊ぶこと自体、M機能と考えられる。親しくない集団でのP機能と集団主義的行動でも相関がみられなかった。集団主義的行動が仲間を優先する傾向を持っているのでM機能と考えられる。下表参照。
・リーダーシップと地域交流 リーダーシップタ
イプと地域の人々(大人たちと子どもたち、大人たちどうし、子どもたちどうし)との交流とは相関がなく、地域の人々の交流が盛んな場合リーダーシップが養われやすいということを支持する結果とはならなかった。
・リーダーシップと遊びの種類 リーダーシップと遊びの種類(伝統遊び、スポーツ遊び、コミュニケーション遊び、ゲーム)と地域行事への参加、危険遊びとの相関は、男女全体では顕著な特徴はみられなかったが、女子で親しいM機能得点とコミュニケーション遊びで相関(r=.310)がみられた。
4タイプのリーダーシップと社会的スキルとの間には男女いずれも相関がみられた。
・リーダー有無による比較 遊びの種類についてリーダーのいたグループといなかったグループとでt検定をしてみると、伝統遊び、スポーツ遊び、コミュニケーション遊びのいずれにおいても、リーダーのいたグループのほうがより高い遊びの得点を示していた。ただし、ゲームではリーダーの有無の影響はみられなかった。