[PE018] 教職員が経験した児童生徒の心の健康問題について
キーワード:問題行動, メンタルへルス, 支援法
問題と目的
学校を対象とした近年の調査によると子どもの心の健康問題は多様化,複雑化しており,対応にあたる教職員は児童生徒のメンタルヘルス支援に向けた知識やスキルの向上が求められている。本研究では児童生徒の心の健康問題の内容について調査すると共に対応にあたる教職員の児童生徒のメンタルヘルス支援に向けたニーズ内容を明らかにすることを目的にあげた。
方法
1.調査対象:公立小中学校教職員(正規教員,非常勤教員,養護教員,図書館司書,スクールカウンセラー等児童生徒に関わった経験のある者)
2.データ収集の手続き:(1)質問紙の依頼及び回収 A教育委員会の協力のもと,各小中学校校長会で調査の説明を行い質問紙を配布した。回収は教育委員会が行い小学校15校(297名),中学校7校(156名)計453名から回答を得た。(2)質問内容:児童生徒の心の健康問題に関する対応経験及び,心の健康問題に関する研修希望内容について,質問項目を24項目あげ,該当する箇所に回答を求めた(複数回答可)。また項目にない内容等については自由記述欄を設けた。他無記名で校種,性別,職種,経験年数の回答を求めた。(3)調査期間:20XX年10月~11月初旬に行われた。
結果
1.児童生徒の心の健康問題に関する対応経験
回答の多かった項目上位5項目は以下となる。
(1)小学校
1.「感情の起伏の激しさ,不機嫌,キレやすいなどの情緒不安定」(250名/297名:約84%) 2.「じっとしていられないなど多動性の問題」(233名/297名:約78%)3.「読み・書き・算数など学習障害」(231名/297名:約78%)4.「集中力や注意力の問題」(161名/297名:約54%)5.「選択的緘黙」(152名/297名:約51%)
(2)中学校
1.「感情の起伏の激しさ,不機嫌,キレやすいなどの情緒不安定」(128名/156名:約82%)2.「読み・書き・数学など学習障害」(123名/156名:約79%)3.「じっとしていられないなど多動性の問題」(114名/156名:約73%)4.「自分の体に傷をつけるなど自傷行為」(105名/156名:約67%)5.「他人の目を気にするなどの対人恐怖」(86名/156名:約55%)
2.心の健康問題に関する研修希望内容
回答の多かった項目上位5項目は以下となる。
(1)小学校
1.「感情の起伏の激しさ,不機嫌,キレやすいなどの情緒不安定」(181名/297名:約61%)2.「読み・書き・算数など学習障害」(161名/297名:約54%)3.「じっとしていられないなど多動性の問題」(150名/297名:約51%)4.「集中力や注意力の問題」(105名/297名:約35%)5「選択的緘黙」(91名/297名:約31%)
(2)中学校
1.「感情の起伏の激しさ,不機嫌,キレやすいなどの情緒不安定」(90名/156名:約58%)2.「読み・書き・数学など学習障害」(80名/156名:約51%)3.「じっとしていられないなど多動性の問題」(68名/156名:約44%)4.「自分の体に傷をつけるなど自傷行為」(54名/156名:約35%)5.「マイナス思考・落ち込みなどのうつ状態」(51名/156名:約33%)
考察
小中学校で共通して多く対応する問題と研修希望内容の上位は情緒不安定,学習障害,多動性の問題と一致しており,対応を要しながら支援法に苦慮している面が推察された。今後は早急に実態に即した支援法の教授が必要と考えられる。
謝辞:本研究はJSPS 科研費25380922の助成を受けたものです。
学校を対象とした近年の調査によると子どもの心の健康問題は多様化,複雑化しており,対応にあたる教職員は児童生徒のメンタルヘルス支援に向けた知識やスキルの向上が求められている。本研究では児童生徒の心の健康問題の内容について調査すると共に対応にあたる教職員の児童生徒のメンタルヘルス支援に向けたニーズ内容を明らかにすることを目的にあげた。
方法
1.調査対象:公立小中学校教職員(正規教員,非常勤教員,養護教員,図書館司書,スクールカウンセラー等児童生徒に関わった経験のある者)
2.データ収集の手続き:(1)質問紙の依頼及び回収 A教育委員会の協力のもと,各小中学校校長会で調査の説明を行い質問紙を配布した。回収は教育委員会が行い小学校15校(297名),中学校7校(156名)計453名から回答を得た。(2)質問内容:児童生徒の心の健康問題に関する対応経験及び,心の健康問題に関する研修希望内容について,質問項目を24項目あげ,該当する箇所に回答を求めた(複数回答可)。また項目にない内容等については自由記述欄を設けた。他無記名で校種,性別,職種,経験年数の回答を求めた。(3)調査期間:20XX年10月~11月初旬に行われた。
結果
1.児童生徒の心の健康問題に関する対応経験
回答の多かった項目上位5項目は以下となる。
(1)小学校
1.「感情の起伏の激しさ,不機嫌,キレやすいなどの情緒不安定」(250名/297名:約84%) 2.「じっとしていられないなど多動性の問題」(233名/297名:約78%)3.「読み・書き・算数など学習障害」(231名/297名:約78%)4.「集中力や注意力の問題」(161名/297名:約54%)5.「選択的緘黙」(152名/297名:約51%)
(2)中学校
1.「感情の起伏の激しさ,不機嫌,キレやすいなどの情緒不安定」(128名/156名:約82%)2.「読み・書き・数学など学習障害」(123名/156名:約79%)3.「じっとしていられないなど多動性の問題」(114名/156名:約73%)4.「自分の体に傷をつけるなど自傷行為」(105名/156名:約67%)5.「他人の目を気にするなどの対人恐怖」(86名/156名:約55%)
2.心の健康問題に関する研修希望内容
回答の多かった項目上位5項目は以下となる。
(1)小学校
1.「感情の起伏の激しさ,不機嫌,キレやすいなどの情緒不安定」(181名/297名:約61%)2.「読み・書き・算数など学習障害」(161名/297名:約54%)3.「じっとしていられないなど多動性の問題」(150名/297名:約51%)4.「集中力や注意力の問題」(105名/297名:約35%)5「選択的緘黙」(91名/297名:約31%)
(2)中学校
1.「感情の起伏の激しさ,不機嫌,キレやすいなどの情緒不安定」(90名/156名:約58%)2.「読み・書き・数学など学習障害」(80名/156名:約51%)3.「じっとしていられないなど多動性の問題」(68名/156名:約44%)4.「自分の体に傷をつけるなど自傷行為」(54名/156名:約35%)5.「マイナス思考・落ち込みなどのうつ状態」(51名/156名:約33%)
考察
小中学校で共通して多く対応する問題と研修希望内容の上位は情緒不安定,学習障害,多動性の問題と一致しており,対応を要しながら支援法に苦慮している面が推察された。今後は早急に実態に即した支援法の教授が必要と考えられる。
謝辞:本研究はJSPS 科研費25380922の助成を受けたものです。