[PF002] いじめの実態把握調査より
からかいとの関連,およびいじめ被害後の感情
キーワード:いじめ, からかい, 被害感情
目的
いじめに注目が集まる中,学校現場でもその指導の難しさを悩む教師は少なくない。とくに「ちょっとしたからかい」などは,する側は親しみの表現と考えていても,される側の受け取り次第で十分にいじめにつながりうる行動である。本研究では,いじめとからかいの関連について探索的に検討する。また,いじめをされた時,子どもたちはどんな感情を抱くのか,そしてその感情はそれまでのいじめ経験によって異なるのであろうか。いじめに関する大規模調査より検討してみたい。
方 法
調査時期:2013年1月~2月。
対象:小学3720人,中学3302人,高校2146人。
調査方法:東京都教職員研修センターから各学校に配布し,学校で実施した上で回収を行った。いじめの状況によってはその後の対応が必要なケースもあるため,調査は匿名ではなく学年・組・出席番号を書いた上で回答を求めた。
調査内容:①自らのいじめの経験…8種類のいじめについて,加害経験の有無(2択)と被害経験の有無(3択),いじめを見聞した経験等と,いじめられたときの感情(Table1参照)についてあるだけ選択。②友だちをからかうことに対する認知・・「悪いと思うか」「おもしろいと思うか」に対して「はい」「いいえ」で回答を求めた。
結 果
◇いじめとからかいの関連(Figure1・2)
「友だちをからかうこと」についての認識を高種別に比べたところ(Figure1),年齢が上がるにつれて,からかうことを「悪くない」「面白い」と回答する子どもの割合が高くなる。この比率をいじめの加害×被害経験で比べたところ,加害経験有3群は「悪くない」「面白い」と回答する割合が高い。
◇いじめ被害後の感情(Table1)
被害がない群を除く4群間で比較したところ,被害が「ある」子どもの方がネガティブな感情が強い。ただし,加害の有無を組み合わせると,加害経験のない子の方が,被害感情がより強いことがわかる。ただし,やりかえそうという気持ちは,被害が今「ある」こと以上に,加害の経験が「ある」子により強く感じられていることが確認された。
以上より,いじめとからかいの境界は曖昧であること,被害感情は加害経験のない子どもの方が深刻に感じていること,被害者から加害者への転換も容易に起こりうることが示唆された。
いじめに注目が集まる中,学校現場でもその指導の難しさを悩む教師は少なくない。とくに「ちょっとしたからかい」などは,する側は親しみの表現と考えていても,される側の受け取り次第で十分にいじめにつながりうる行動である。本研究では,いじめとからかいの関連について探索的に検討する。また,いじめをされた時,子どもたちはどんな感情を抱くのか,そしてその感情はそれまでのいじめ経験によって異なるのであろうか。いじめに関する大規模調査より検討してみたい。
方 法
調査時期:2013年1月~2月。
対象:小学3720人,中学3302人,高校2146人。
調査方法:東京都教職員研修センターから各学校に配布し,学校で実施した上で回収を行った。いじめの状況によってはその後の対応が必要なケースもあるため,調査は匿名ではなく学年・組・出席番号を書いた上で回答を求めた。
調査内容:①自らのいじめの経験…8種類のいじめについて,加害経験の有無(2択)と被害経験の有無(3択),いじめを見聞した経験等と,いじめられたときの感情(Table1参照)についてあるだけ選択。②友だちをからかうことに対する認知・・「悪いと思うか」「おもしろいと思うか」に対して「はい」「いいえ」で回答を求めた。
結 果
◇いじめとからかいの関連(Figure1・2)
「友だちをからかうこと」についての認識を高種別に比べたところ(Figure1),年齢が上がるにつれて,からかうことを「悪くない」「面白い」と回答する子どもの割合が高くなる。この比率をいじめの加害×被害経験で比べたところ,加害経験有3群は「悪くない」「面白い」と回答する割合が高い。
◇いじめ被害後の感情(Table1)
被害がない群を除く4群間で比較したところ,被害が「ある」子どもの方がネガティブな感情が強い。ただし,加害の有無を組み合わせると,加害経験のない子の方が,被害感情がより強いことがわかる。ただし,やりかえそうという気持ちは,被害が今「ある」こと以上に,加害の経験が「ある」子により強く感じられていることが確認された。
以上より,いじめとからかいの境界は曖昧であること,被害感情は加害経験のない子どもの方が深刻に感じていること,被害者から加害者への転換も容易に起こりうることが示唆された。