[PH049] 高校生のキャリア発達に関する研究
6SC尺度,CRAS尺度得点の学年・性別比較を中心として
キーワード:キャリア発達, 高校生
【問題と目的】
2011年に出された中央教育審議会答申以降,高等学校普通科におけるキャリア教育の必要性が強調されるようになってきた。一方,キャリア理論などにおいては,目標を明確に定め,そこに向けて直線的に人生を歩ませる形のキャリア形成から,不確定な社会の中で,状況に柔軟に対応し生きていく力をつけさせるための理論へと関心が移りつつある(Mitchel, Levin, & Krumboltz, 1999他)。
そこで本研究では普通科進学校における高校生のキャリア発達を「機会活用スキル」と「社会を生き抜く態度」の2つの側面から測定し,生徒のキャリア発達に学年・性別でどのような違いがみられるのか検討することにした。
【方 法】
◆調査時期と対象
2014年12月に東海地方にあるA高校(普通科進学校:共学校)を対象に質問紙調査を実施した。対象は,1年生195名,2年生190名,3年生155名(男子=197名,女子=343名)であった。
◆調査内容
属性に関する質問:性別,学年,部活動やサークル等学内の団体への所属の有無,ボランティアサークル等学外の団体への所属の有無,高校卒業後の進路希望について尋ねた。
尺度:「キャリア形成につながるかもしれない機会を認識したり,そのような機会を積極的につくりだしたりするためのスキル」を測定する尺度として,高綱・浦上・杉本・矢崎(2014)の「6SC尺度β版」を,「変化する社会の中で,困難な状況にあっても,それを乗り越えて自分なりのキャリアを想像していく力」を態度面から測定する尺度として,「生き抜く態度尺度(CRAS)」(坂柳,2015)を用い調査を実施した。
【結果と考察】
6SC尺度において,学年・性別で得点に差がみられるかどうか二要因の分散分析行った結果,いずれの尺度においても交互作用は見られず,興味探索スキルにおいてのみ学年の主効果が示され,3年生の得点が2年生に比べ有意に高いことが明らかになった。(Table 1)
またCRAS尺度においては,「自己肯定感」「他者肯定感」において交互作用が認められるとともに,「関係づくり」「楽観的思考」では学年・性の主効果が,「将来展望」については学年の主効果が有意で男子よりも女子が,1・2年生より3年生得点が高かった。以上の結果から,2つの視点による高校生のキャリア発達について,必ずしも直線的に高まっていくわけではないことが明らかになった。
2011年に出された中央教育審議会答申以降,高等学校普通科におけるキャリア教育の必要性が強調されるようになってきた。一方,キャリア理論などにおいては,目標を明確に定め,そこに向けて直線的に人生を歩ませる形のキャリア形成から,不確定な社会の中で,状況に柔軟に対応し生きていく力をつけさせるための理論へと関心が移りつつある(Mitchel, Levin, & Krumboltz, 1999他)。
そこで本研究では普通科進学校における高校生のキャリア発達を「機会活用スキル」と「社会を生き抜く態度」の2つの側面から測定し,生徒のキャリア発達に学年・性別でどのような違いがみられるのか検討することにした。
【方 法】
◆調査時期と対象
2014年12月に東海地方にあるA高校(普通科進学校:共学校)を対象に質問紙調査を実施した。対象は,1年生195名,2年生190名,3年生155名(男子=197名,女子=343名)であった。
◆調査内容
属性に関する質問:性別,学年,部活動やサークル等学内の団体への所属の有無,ボランティアサークル等学外の団体への所属の有無,高校卒業後の進路希望について尋ねた。
尺度:「キャリア形成につながるかもしれない機会を認識したり,そのような機会を積極的につくりだしたりするためのスキル」を測定する尺度として,高綱・浦上・杉本・矢崎(2014)の「6SC尺度β版」を,「変化する社会の中で,困難な状況にあっても,それを乗り越えて自分なりのキャリアを想像していく力」を態度面から測定する尺度として,「生き抜く態度尺度(CRAS)」(坂柳,2015)を用い調査を実施した。
【結果と考察】
6SC尺度において,学年・性別で得点に差がみられるかどうか二要因の分散分析行った結果,いずれの尺度においても交互作用は見られず,興味探索スキルにおいてのみ学年の主効果が示され,3年生の得点が2年生に比べ有意に高いことが明らかになった。(Table 1)
またCRAS尺度においては,「自己肯定感」「他者肯定感」において交互作用が認められるとともに,「関係づくり」「楽観的思考」では学年・性の主効果が,「将来展望」については学年の主効果が有意で男子よりも女子が,1・2年生より3年生得点が高かった。以上の結果から,2つの視点による高校生のキャリア発達について,必ずしも直線的に高まっていくわけではないことが明らかになった。