10:00 〜 12:00
[PG52] 若者のインターネット依存傾向
親子関係にみるインターネット利用の現状
キーワード:ネット依存, コミュニケーション, ヤングテスト
問題と目的
近年,我々の生活の中でインターネットの隆盛は著しい。インターネットの普及により,我々の生活はより便利で豊かになってきている。今後さらに,インターネットの普及およびそのサービスの発展は加速していくと考えられる。また,スマートフォン,タブレット端末等の普及に伴い,パソコンに向かうことなく,ネットワークを介した多様なサービスへのアクセスが飛躍的に容易になっている。つまり,四六時中,かつ,どこでもインターネットにつながることが可能になってきた。そのため,親子関係にも何らかの変化が生じているのではないかと考えられる。
本研究では,親子関係に焦点を当て,そこから垣間見える若者のインターネット利用の現状を考察することを目的とした。
方 法
対象:小学4,5,6年生と中学1,2,3年生,その保護者(ペアリング)1,015ペア(男性475名,女性524名,小学4年生70名,小学5年生57名,小学6年生104名,中学1年生205名,中学2年生292名,中学3年生274名,父親100名,母親882名,その他8名,未回答25名)
調査地域:A県,B県,C県,D県,その他の都道府県の一部
調査期間:2014年9月~2015年1月
調査方法:ネット依存に関しては,キンバリー・ヤングの開発したヤングテストを使用した。ヤングテストは20項目の質問からなるテストであり,世界各国でインターネット依存の調査に多く採用されている。これに,インターネットの使用状況に関する質問項目を追加し,合計49項目の質問からなるアンケートとした。質問を記載したアンケート用紙を作成し,学校内にて配布し,自宅にて記入を依頼し回答を得た。
結果と考察
全生徒のうち,ネット依存傾向が高いのは397名となり,全体の4割を占める結果となった。ネット依存度の平均スコアは,生徒全体では37.9点であった。学年別では,小学4年生が30.6点,小学5年生が30.0点,小学6年生が30.8点中学1年生が37.0点,中学2年生が39.7点,中学3年生が40.0点となった(Table 1)。
また男女別では,男性は37.0点,女性は37.1点であり,有意差は認められなかった(t検定)
それに加え,小学6年生から中学1年生の間でスコアが約6点上昇しており,中学生は平均スコアが高い傾向にあった。
また家族間でのコミュニケーションに着目すると,保護者のアンケートにて「子どもが食事や会話中もスマホをチェックしているか」という質問に対し,回答はネット依存傾向が高い生徒の保護者は使用があるとの回答が45%,依存傾向が低い生徒の保護者の回答は30%であった(Figure 1,2)。このことから,ネット依存傾向の高い生徒は家族との食事中であってもネットの利用を中断しないことが明らかとなった。そのため,ネット依存傾向の高い生徒は,家族間でのコミュニケーションが比較的低いことが考えられる。
今後は,さらに家族間でのコミュニケーションの頻度によって,ネット依存傾向に違いがあるのか,また保護者との関係性が子どものネット依存とどのように関係しているのかについて,比較検討を試みる必要があるのではないだろうか。
近年,我々の生活の中でインターネットの隆盛は著しい。インターネットの普及により,我々の生活はより便利で豊かになってきている。今後さらに,インターネットの普及およびそのサービスの発展は加速していくと考えられる。また,スマートフォン,タブレット端末等の普及に伴い,パソコンに向かうことなく,ネットワークを介した多様なサービスへのアクセスが飛躍的に容易になっている。つまり,四六時中,かつ,どこでもインターネットにつながることが可能になってきた。そのため,親子関係にも何らかの変化が生じているのではないかと考えられる。
本研究では,親子関係に焦点を当て,そこから垣間見える若者のインターネット利用の現状を考察することを目的とした。
方 法
対象:小学4,5,6年生と中学1,2,3年生,その保護者(ペアリング)1,015ペア(男性475名,女性524名,小学4年生70名,小学5年生57名,小学6年生104名,中学1年生205名,中学2年生292名,中学3年生274名,父親100名,母親882名,その他8名,未回答25名)
調査地域:A県,B県,C県,D県,その他の都道府県の一部
調査期間:2014年9月~2015年1月
調査方法:ネット依存に関しては,キンバリー・ヤングの開発したヤングテストを使用した。ヤングテストは20項目の質問からなるテストであり,世界各国でインターネット依存の調査に多く採用されている。これに,インターネットの使用状況に関する質問項目を追加し,合計49項目の質問からなるアンケートとした。質問を記載したアンケート用紙を作成し,学校内にて配布し,自宅にて記入を依頼し回答を得た。
結果と考察
全生徒のうち,ネット依存傾向が高いのは397名となり,全体の4割を占める結果となった。ネット依存度の平均スコアは,生徒全体では37.9点であった。学年別では,小学4年生が30.6点,小学5年生が30.0点,小学6年生が30.8点中学1年生が37.0点,中学2年生が39.7点,中学3年生が40.0点となった(Table 1)。
また男女別では,男性は37.0点,女性は37.1点であり,有意差は認められなかった(t検定)
それに加え,小学6年生から中学1年生の間でスコアが約6点上昇しており,中学生は平均スコアが高い傾向にあった。
また家族間でのコミュニケーションに着目すると,保護者のアンケートにて「子どもが食事や会話中もスマホをチェックしているか」という質問に対し,回答はネット依存傾向が高い生徒の保護者は使用があるとの回答が45%,依存傾向が低い生徒の保護者の回答は30%であった(Figure 1,2)。このことから,ネット依存傾向の高い生徒は家族との食事中であってもネットの利用を中断しないことが明らかとなった。そのため,ネット依存傾向の高い生徒は,家族間でのコミュニケーションが比較的低いことが考えられる。
今後は,さらに家族間でのコミュニケーションの頻度によって,ネット依存傾向に違いがあるのか,また保護者との関係性が子どものネット依存とどのように関係しているのかについて,比較検討を試みる必要があるのではないだろうか。