[PE54] 印象に残る教師像:大学生への半構造化面接を通して(2)
理想とする教師像
キーワード:理想とする教師像、大学生、半構造化面接
問題および目的
本研究では,大学生を対象に半構造化面接を行い,現代の大学生の持つ小学校から高校までの教師像を明らかにすることを目的としている。印象に残る教師像:大学生への半構造化面接を通して(1)では,印象に残る教師像を明らかにした。(2)では,小学校から高校までの教師について,理想とする教師像を検討する。
方 法
面接協力者 ①大学1・2年生:男女で教職志望の有無,②大学3・4年生男女で教職志望の有無,③短期大学生女子で教職志望の有無の計10群(各10名),合計100名。
手続き 口頭および文書で,研究内容について説明を行った。全協力者から,個人情報の取り扱い・結果の公表などの倫理的項目について同意を得た。また,愛知学院大学総合政策学会研究倫理委員会の承認を得て研究を実施した。
面接内容 理想とする教師像について「あなたが理想とする先生は,どんなタイプの先生ですか。」とたずねた。大学の教員について語られた場合,小中高の先生についてと問い直した。なお,全体的な面接内容は,研究(1)に示している。
面接時期 2018年(平成30年)10月下旬から2019年(平成31年)1月上旬。
面接時間 1人概ね15分程度。
結果と考察
理想とする先生は,どんなタイプの先生かたずねた結果,合計192の内容が得られた。1人当たりの内容数は1~5であった。これらについて,「教師の性質」,「教授・指導」,「教師の対応」の点から,分類を行った。
(1)教師の性質:35の内容がみられた。最も多かったのは,話しやすい,しゃべりやすい,生徒から話しかけられるなど「親しみやすさ(10)」についてであった。次に多かったのは,熱意のある先生,熱い先生など「熱意(6)」に関するもの,楽しい先生や面白い先生といった「楽しさ・面白さ(5)」についての内容であった。その他には,生徒になめられない,威厳のあるといった「威厳(4)」や,引っ張っていけるといった「リーダーシップ(2)」,「優しい(2)」,「明るい(2)」,「頼りがいがある(2)」,「信頼できる(1)」,「責任感がある(1)」といった性質に関する内容がみられた。
(2)教授・指導:24の内容がみられた。多く語られていたのは,「授業の上手さや内容(13)」についてであった。授業がわかりやすい先生,授業が面白い先生,硬い授業をしない先生といった内容が主であった。少数だが,字が丁寧,板書がうまくまとめてある,グループワークがあるといった具体的授業方法も語られていた。また,成績が悪い子に手を差し伸べる,わからない人に教えるといった「勉強ができない子どもへの指導(3)」についての内容もみられた。「勉強以外の指導(8)」についての語りもみられ,勉強以外も教えてくれる,経験したことを生徒に伝えることができるといった内容であった。8件中7件は教職希望のある学生から得られた内容であった。
(3)教師の対応:109の内容がみられた。主な内容について述べると,最も多かったのは,怒るときと怒らないときのめりはりがある先生,優しさと厳しさのめりはりがある先生,叱るときは叱って褒めるときは褒めてくれる先生,切り替えが早い先生といった「めりはり(21)」についてであった。次いで多かったのは,「寄り添い・親身・気遣い(19)」に関するものであった。具体的には,身近で寄り添ってくれるような先生,親身になってくれる先生,話を聞いてくれる先生,認めてくれる先生,否定をしない先生,自分たちのことをちゃんと見てくれる先生,困っていると手を差し伸べてくれる先生といった内容であった。次に多かったのは,誰に対しても平等に接する先生,差別しない先生,誰とでも分け隔てなく接する先生,生徒によって態度を変えない先生といった「平等(15)」に関するものであった。
きちんと叱ってくれる先生,厳しい先生といった「厳しさ・叱る(10)」については,すべてが教職を志望していない学生から得られた内容であった。その他には,真剣に考えてくれる,生徒のことを第一に考えてくれるといった「子供のことを考える行動(9)」,個性と認めてくれる,一人の人間として見てくれるといった「個の尊重(8)」,子どもと同じ目線に立てる先生,生徒と同じ立場にたって話をしてくれる先生といった「子どもの視点に立つ(7)」行動に関する内容が多くみられた。
(4)その他:上記に分類できなかった内容が24みられた。かっこいい先生,業務をちゃんとこなしている先生といった内容であった。
本研究では,大学生を対象に半構造化面接を行い,現代の大学生の持つ小学校から高校までの教師像を明らかにすることを目的としている。印象に残る教師像:大学生への半構造化面接を通して(1)では,印象に残る教師像を明らかにした。(2)では,小学校から高校までの教師について,理想とする教師像を検討する。
方 法
面接協力者 ①大学1・2年生:男女で教職志望の有無,②大学3・4年生男女で教職志望の有無,③短期大学生女子で教職志望の有無の計10群(各10名),合計100名。
手続き 口頭および文書で,研究内容について説明を行った。全協力者から,個人情報の取り扱い・結果の公表などの倫理的項目について同意を得た。また,愛知学院大学総合政策学会研究倫理委員会の承認を得て研究を実施した。
面接内容 理想とする教師像について「あなたが理想とする先生は,どんなタイプの先生ですか。」とたずねた。大学の教員について語られた場合,小中高の先生についてと問い直した。なお,全体的な面接内容は,研究(1)に示している。
面接時期 2018年(平成30年)10月下旬から2019年(平成31年)1月上旬。
面接時間 1人概ね15分程度。
結果と考察
理想とする先生は,どんなタイプの先生かたずねた結果,合計192の内容が得られた。1人当たりの内容数は1~5であった。これらについて,「教師の性質」,「教授・指導」,「教師の対応」の点から,分類を行った。
(1)教師の性質:35の内容がみられた。最も多かったのは,話しやすい,しゃべりやすい,生徒から話しかけられるなど「親しみやすさ(10)」についてであった。次に多かったのは,熱意のある先生,熱い先生など「熱意(6)」に関するもの,楽しい先生や面白い先生といった「楽しさ・面白さ(5)」についての内容であった。その他には,生徒になめられない,威厳のあるといった「威厳(4)」や,引っ張っていけるといった「リーダーシップ(2)」,「優しい(2)」,「明るい(2)」,「頼りがいがある(2)」,「信頼できる(1)」,「責任感がある(1)」といった性質に関する内容がみられた。
(2)教授・指導:24の内容がみられた。多く語られていたのは,「授業の上手さや内容(13)」についてであった。授業がわかりやすい先生,授業が面白い先生,硬い授業をしない先生といった内容が主であった。少数だが,字が丁寧,板書がうまくまとめてある,グループワークがあるといった具体的授業方法も語られていた。また,成績が悪い子に手を差し伸べる,わからない人に教えるといった「勉強ができない子どもへの指導(3)」についての内容もみられた。「勉強以外の指導(8)」についての語りもみられ,勉強以外も教えてくれる,経験したことを生徒に伝えることができるといった内容であった。8件中7件は教職希望のある学生から得られた内容であった。
(3)教師の対応:109の内容がみられた。主な内容について述べると,最も多かったのは,怒るときと怒らないときのめりはりがある先生,優しさと厳しさのめりはりがある先生,叱るときは叱って褒めるときは褒めてくれる先生,切り替えが早い先生といった「めりはり(21)」についてであった。次いで多かったのは,「寄り添い・親身・気遣い(19)」に関するものであった。具体的には,身近で寄り添ってくれるような先生,親身になってくれる先生,話を聞いてくれる先生,認めてくれる先生,否定をしない先生,自分たちのことをちゃんと見てくれる先生,困っていると手を差し伸べてくれる先生といった内容であった。次に多かったのは,誰に対しても平等に接する先生,差別しない先生,誰とでも分け隔てなく接する先生,生徒によって態度を変えない先生といった「平等(15)」に関するものであった。
きちんと叱ってくれる先生,厳しい先生といった「厳しさ・叱る(10)」については,すべてが教職を志望していない学生から得られた内容であった。その他には,真剣に考えてくれる,生徒のことを第一に考えてくれるといった「子供のことを考える行動(9)」,個性と認めてくれる,一人の人間として見てくれるといった「個の尊重(8)」,子どもと同じ目線に立てる先生,生徒と同じ立場にたって話をしてくれる先生といった「子どもの視点に立つ(7)」行動に関する内容が多くみられた。
(4)その他:上記に分類できなかった内容が24みられた。かっこいい先生,業務をちゃんとこなしている先生といった内容であった。