[P202] 「理想の教師」に関する測定指標の再検討
高校生と教員との差異項目機能(DIF)
キーワード:理想の教師、DIF
小浜(2019)では,理想の教師像および学校に対するイメージについて測定可能な尺度が開発され,算術平均における得点比較によって高校生と教員とが異なる理想像やイメージを持つことが示された。しかし,算術平均による得点差は,必ずしも構成概念間の平均差を適切に表すわけではないことが示されている(船越・田崎・潮村, 2012)。そこでDIF(差異集団機能)や因子平均の観点で比較検討を行い,小浜(2019)の測定尺度について改善を行うことを本発表の目的とする。高校生301名,教員188名を対象とした分析の結果,不均一DIFは,理想の教師の特徴に関する1項目のみに存在した。均一DIFは,理想の教師の特徴において計13項目,学校に対するイメージにおいて計9項目存在した。以上の結果から,小浜(2019)の尺度は,各項目において高校生と教員でほぼ等しいパス係数で尺度構成されている一方で,平均差は多くの項目で見られることが示唆された。