[P268] 親和傾向と拒否不安がグループの所属とグループの特徴に及ぼす影響
キーワード:親和傾向、拒否不安、仲間集団の特徴
本研究では,親和傾向と拒否不安が,クラス内の仲間集団への所属の有無や,所属する仲間集団の特徴とどのような関係にあるのかについて,中学生1~3年生543名を対象に検討した。その結果,男子ではグループに所属していない生徒は,親和傾向,拒否不安ともに低いこと,女子では,グループに所属している生徒は親和傾向が高いことが示された。また親和傾向の高低と拒否不安の高低を組み合わせた4群について,グループの凝集性,階層性,閉鎖性を比較したところ,男子では親和傾向の高い生徒は凝集性の高い仲間集団に所属していることが示された。女子では,親和傾向が高い生徒は凝集性が高く閉鎖性の低い仲間集団に所属しているのに対し,拒否不安の高い生徒は閉鎖性が高い仲間集団に所属していることが示された。以上の結果から,閉鎖性の低い開かれた仲間集団を形成するには,生徒の親和傾向を高めるような環境づくりが重要であることが示唆された。