[摂食P-14] 超高齢禁食患者に嚥下リハビリテーションを行い経口摂取が可能となった一症例
【目的】
3ヵ月以上,禁食が継続していた超高齢患者に,再評価ならびに摂食嚥下リハビリテーションを行うことで,禁食から脱して一部経口摂取が可能となった症例を報告する。
【症例】
施設に入所中の92歳の女性。平成27年9月に脳梗塞を発症し急性期病院に入院した。血栓溶解療法を受けるも,2日後に脳内出血を起こし,片麻痺,高次脳機能障害ならびに嚥下障害が後遺症として残った。その後,経口摂取は困難との主治医の判断で,12月に胃瘻を造設した。意識レベル:Ⅱ,寝たきり度:C,認知症の程度:Ⅰであった。
【処置】
胃瘻造設後は禁食であった。家族から口から食べさせたいとの希望により,摂食嚥下リハビリテーションの依頼を受けた。介入時,BMI:19.9,Alb:3.11g/dlであった。初回の嚥下内視鏡検査の結果,明確な誤嚥を認めなかったが,ゼリー嚥下時に嚥下反射の遅延から喉頭侵入がみられた。患者は超高齢者で食事にも体力が必要であるため,経管栄養補給を主と考え,お楽しみレベルの経口摂取を目標として,訓練計画を策定した。当初,訓練効果は限定的と考えていたが,2回目のVE検査では喉頭侵入のない良好な嚥下が確認できた。また,BMI:21.8,Alb:3.5g/dlと栄養状態も改善した。
【結果と考察】
急性期に全身状態悪化のため禁食となった患者では,摂食嚥下障害への介入がなく,嚥下機能評価が受けられずに禁食が継続されている症例がかなりあると考える。本症例で嚥下機能を評価して専門的な摂食嚥下リハビリテーションを行うことと,家族が積極的に訓練に参加したことにより経口摂取が可能となったと推察でき,患者,家族と連携して摂食嚥下障害への積極的な介入が必要であると考える。
3ヵ月以上,禁食が継続していた超高齢患者に,再評価ならびに摂食嚥下リハビリテーションを行うことで,禁食から脱して一部経口摂取が可能となった症例を報告する。
【症例】
施設に入所中の92歳の女性。平成27年9月に脳梗塞を発症し急性期病院に入院した。血栓溶解療法を受けるも,2日後に脳内出血を起こし,片麻痺,高次脳機能障害ならびに嚥下障害が後遺症として残った。その後,経口摂取は困難との主治医の判断で,12月に胃瘻を造設した。意識レベル:Ⅱ,寝たきり度:C,認知症の程度:Ⅰであった。
【処置】
胃瘻造設後は禁食であった。家族から口から食べさせたいとの希望により,摂食嚥下リハビリテーションの依頼を受けた。介入時,BMI:19.9,Alb:3.11g/dlであった。初回の嚥下内視鏡検査の結果,明確な誤嚥を認めなかったが,ゼリー嚥下時に嚥下反射の遅延から喉頭侵入がみられた。患者は超高齢者で食事にも体力が必要であるため,経管栄養補給を主と考え,お楽しみレベルの経口摂取を目標として,訓練計画を策定した。当初,訓練効果は限定的と考えていたが,2回目のVE検査では喉頭侵入のない良好な嚥下が確認できた。また,BMI:21.8,Alb:3.5g/dlと栄養状態も改善した。
【結果と考察】
急性期に全身状態悪化のため禁食となった患者では,摂食嚥下障害への介入がなく,嚥下機能評価が受けられずに禁食が継続されている症例がかなりあると考える。本症例で嚥下機能を評価して専門的な摂食嚥下リハビリテーションを行うことと,家族が積極的に訓練に参加したことにより経口摂取が可能となったと推察でき,患者,家族と連携して摂食嚥下障害への積極的な介入が必要であると考える。