[O1-5] デンチャープラーク細菌叢の16S rRNAメタゲノム解析
【目的】
高齢者人口の増加により可撤性義歯の需要は年々高まっている。しかし可撤性義歯の問題点にデンチャープラークの付着・堆積がある。デンチャープラークは様々な疾患との関連が報告されておりデンチャープラークを介した感染リスクへの対応は危急の課題であるが,デンチャープラークの細菌構成については不明な点が多い。本研究は,次世代シークエンサーを用いて上顎全部床義歯に付着したデンチャープラークの細菌構成と義歯管理状態との関連を調査することを目的とした。
【方法】
被験者は昭和大学歯科病院補綴歯科外来に通院する上顎全部床義歯装着者22名 (男性12名,女性10名,平均年齢69.7±6.5歳)とした (昭和大学歯学部医の倫理委員会No.DH-2016-030) 。
これらの被験者を対象に義歯管理状態を調査するためのアンケートを実施し,デンチャープラーク採取した。次にDNAを抽出し,その塩基配列を次世代シークエンサー (Miseq) により決定し,解析された塩基配列から細菌叢を同定した。さらに得られた細菌の構成比から生物多様性を示すShannon指数 (α多様性)を算出し,患者アンケートとの相関関係をピアソンの相関係数,Student-t検定で評価した。
【結果と考察】
アンケート結果からデンチャープラークの生物多様性が低い被験者では「義歯洗浄剤使用回数」「義歯清掃頻度」が多く (相関係数 -0.76,-0.78),また「夜間の義歯装着の有無」では装着していない (p<0.01)と回答するなど義歯の管理状態が良好である傾向が認められた。
以上より,義歯管理状態が良好であるほど生物多様性が低く,デンチャープラーク細菌叢の細菌学的生育度が未熟である傾向が示唆された。
高齢者人口の増加により可撤性義歯の需要は年々高まっている。しかし可撤性義歯の問題点にデンチャープラークの付着・堆積がある。デンチャープラークは様々な疾患との関連が報告されておりデンチャープラークを介した感染リスクへの対応は危急の課題であるが,デンチャープラークの細菌構成については不明な点が多い。本研究は,次世代シークエンサーを用いて上顎全部床義歯に付着したデンチャープラークの細菌構成と義歯管理状態との関連を調査することを目的とした。
【方法】
被験者は昭和大学歯科病院補綴歯科外来に通院する上顎全部床義歯装着者22名 (男性12名,女性10名,平均年齢69.7±6.5歳)とした (昭和大学歯学部医の倫理委員会No.DH-2016-030) 。
これらの被験者を対象に義歯管理状態を調査するためのアンケートを実施し,デンチャープラーク採取した。次にDNAを抽出し,その塩基配列を次世代シークエンサー (Miseq) により決定し,解析された塩基配列から細菌叢を同定した。さらに得られた細菌の構成比から生物多様性を示すShannon指数 (α多様性)を算出し,患者アンケートとの相関関係をピアソンの相関係数,Student-t検定で評価した。
【結果と考察】
アンケート結果からデンチャープラークの生物多様性が低い被験者では「義歯洗浄剤使用回数」「義歯清掃頻度」が多く (相関係数 -0.76,-0.78),また「夜間の義歯装着の有無」では装着していない (p<0.01)と回答するなど義歯の管理状態が良好である傾向が認められた。
以上より,義歯管理状態が良好であるほど生物多様性が低く,デンチャープラーク細菌叢の細菌学的生育度が未熟である傾向が示唆された。