[P一般-069] 老化が耳下腺および顎下腺機能へ及ぼす影響
【目的】
老化が唾液腺に与える影響には不明な点も多い。本研究では,老化が唾液分泌機能へ及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】
まず,若年群(32名,平均年齢25.8歳)と高齢群(26名,平均年齢70.8歳)において,吐唾法による安静時唾液量と,ガム法による刺激時唾液量を測定した。次いで,16週齢および48週齢の老化促進モデルマウスSenescence-Accelerated Mouse Prone1(SAMP1)を用いて,ムスカリン性刺激薬pilocarpineの腹腔内投与によるIn vivo解析にて耳下腺,顎下腺からの唾液分泌量の評価を,生体から摘出した顎下腺によるEx vivo灌流モデルを用いてより詳細な顎下腺機能の評価を行った。なお,本研究は九州歯科大学研究倫理委員会(承認番号: 16-1),九州歯科大学動物実験委員会(承認番号: 15-021)の承認を得て行った。
【結果と考察】
安静時唾液量は高齢群で有意に減少したが(p=0.023), 刺激時唾液量は若年群と高齢群で同等であった。SAMP1を用いたIn vivo 解析において16週齢と48週齢で比較したところ,耳下腺唾液量は同等であったが,顎下腺唾液量は48週齢で有意に低下した(p=0.02)。また,Ex vivo灌流モデルにおける顎下腺からの唾液分泌量も,16週齢と比較し48週齢で有意に低下した(p=0.03)。以上の結果より,老化により刺激時唾液量は影響を受けないが,安静時唾液量は減少することが明らかになった。また,安静時唾液量の低下には,安静時唾液の多くを分泌する顎下腺の機能が老化により低下したことが関連する可能性が示唆された。
老化が唾液腺に与える影響には不明な点も多い。本研究では,老化が唾液分泌機能へ及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】
まず,若年群(32名,平均年齢25.8歳)と高齢群(26名,平均年齢70.8歳)において,吐唾法による安静時唾液量と,ガム法による刺激時唾液量を測定した。次いで,16週齢および48週齢の老化促進モデルマウスSenescence-Accelerated Mouse Prone1(SAMP1)を用いて,ムスカリン性刺激薬pilocarpineの腹腔内投与によるIn vivo解析にて耳下腺,顎下腺からの唾液分泌量の評価を,生体から摘出した顎下腺によるEx vivo灌流モデルを用いてより詳細な顎下腺機能の評価を行った。なお,本研究は九州歯科大学研究倫理委員会(承認番号: 16-1),九州歯科大学動物実験委員会(承認番号: 15-021)の承認を得て行った。
【結果と考察】
安静時唾液量は高齢群で有意に減少したが(p=0.023), 刺激時唾液量は若年群と高齢群で同等であった。SAMP1を用いたIn vivo 解析において16週齢と48週齢で比較したところ,耳下腺唾液量は同等であったが,顎下腺唾液量は48週齢で有意に低下した(p=0.02)。また,Ex vivo灌流モデルにおける顎下腺からの唾液分泌量も,16週齢と比較し48週齢で有意に低下した(p=0.03)。以上の結果より,老化により刺激時唾液量は影響を受けないが,安静時唾液量は減少することが明らかになった。また,安静時唾液量の低下には,安静時唾液の多くを分泌する顎下腺の機能が老化により低下したことが関連する可能性が示唆された。