一般社団法人日本老年歯科医学会 第31回学術大会

講演情報

一般演題(口演・誌上開催)

PDFポスター

口腔機能

[O一般-017] 現在機能歯数が20歯以上残存する地域高齢者における体格と口腔機能の関係

○小向井 英記1,2,4、中嶋 千惠1,3、今井 裕子1、東浦 正也1、有川 香織4、高橋 一也4 (1. 医療法人小向井歯科クリニック、2. 一般社団法人奈良県歯科医師会、3. 奈良春日病院歯科口腔外科、4. 大阪歯科大学歯学部高齢者歯科学講座)

【目的】

高齢者はフレイルに陥りやすく、口腔機能の維持・向上はフレイルの予防に重視される。家族や医療者による早期の対応が望まれるが、口腔機能低下に至る病態は明確にされておらず、適切な対応を欠きやすいのが現状である。本研究では、現在機能歯数が20歯以上残存する地域高齢者において、BMIに着目し体格が口腔機能に影響を与えるか検討を行った。

【方法】

対象は、2017年から2019年に奈良県歯科医師会主催の「高齢者いい歯のコンクール」に参加した70歳以上で現在機能歯数が20歯以上残存する地域高齢者281名(男性171名、平均年齢79.4±4.7歳)とした。口腔機能検査として、咀嚼機能検査(ジーシーグルコセンサーGS-Ⅱ®)、口唇圧検査(松風りっぷるくん®)を施行した。対象者は、①BMI<21.5、②21.5≦BMI<25、③25≦BMI<30、④BMI≧30の4群にわけてBMIと体格の関係を調査した。4群間の検定は一元配置分散分析および多重比較(Dunnett法)で行った。

【結果と考察】

4群の内訳は、①BMI<21.5が47名、②21.5≦BMI<25が105名、③25≦BMI<30が103名、④BMI≧30が28名であった。咀嚼機能検査は、4群間で有意差を認めなかった。口唇圧検査は、危険率1%で①BMI<21.5群と④BMI≧30群間に有意差(p=0.0077)を認めた。BMIの増加に従い口腔機能が増強する傾向がみられ、その傾向は咀嚼機能に比べ口唇圧で強く認められた。今回の対象者は現在機能歯数が維持されてることがその要因に関わると考えられた。

(COI 開示:なし)

(大阪歯科大学 倫理審査委員会承認番号11077号)