[O一般-027] 福岡大学病院摂食嚥下センター開設後一年間における受診内容に関する調査
【目的】2018年10月より福岡大学病院において、医師、歯科医師、認定看護師、歯科衛生士、言語聴覚士および管理栄養士で構成された摂食嚥下センターが開設され、急性期病院における入院および外来患者の摂食嚥下機能評価および訓練を多職種連携をもとに行っている。今回、急性期病院における摂食嚥下センターの課題を検討する目的で、当センター受診患者の調査を行った。
【方法】当センターにおいて2018年10月からの1年間に摂食嚥下チーム医療介入を行った患者398名(うち耳鼻科50名、男性238名女性160名)を対象とし、診療録をもとに後ろ向き調査を行った。調査項目は年齢、紹介元診療科および入院原因疾患、摂食機能訓練介入の有無および介入期間、VFおよびVE検査の施行状況、退院後の経路を抽出し、紹介元診療科別に比較検討した。
【結果と考察】対象患者の平均年齢は71.0±17.5歳で、年齢区分別にみると65歳以降が308名(77%)を占めていた。当センターでは脳神経内科からの紹介が105名(29%)と最も多く、次いで救命救急センター85名(24%)、脳神経外科33名(9%)、消化器外科27名(8%)で、他施設の報告と比較し脳神経内科からの紹介患者が多かった。入院原因疾患でみると、脳神経内科では神経疾患患者(PD関連疾患、髄膜炎、脳炎等)が55名(52%)で脳卒中患者36名(34%)より多く、救命センターでは脳卒中患者が46名(54%)で最も多かった。退院後の経路は、自宅退院が小児科6名(86%)、脳神経内科39名(37%)の順で多く、転院は心臓血管外科10名(100%)で最も多かった。VF検査状況は、腎臓膠原病内科の3名(43%)、消化器外科の9名(33%)においてVF検査が複数回施行されていた。腎臓膠原病内科では自己免疫疾患に対するステロイドパルス治療前後でVF検査による嚥下機能再評価を行うことが多かった。また消化器外科では機能訓練介入日数が平均45.7日と最も長く、機能訓練介入し嚥下機能改善および食形態調整のため再評価が必要となった。245名(62%)が転院となり、退院後も継続的なリハビリが必要であることがうかがえた。今回の調査をふまえ、当センターでは自宅退院を見据えた機能訓練および指導や転院先との連携の必要性が示唆された。
COI開示なし
福岡大学倫理審査委員会承認番号H20-03-006
【方法】当センターにおいて2018年10月からの1年間に摂食嚥下チーム医療介入を行った患者398名(うち耳鼻科50名、男性238名女性160名)を対象とし、診療録をもとに後ろ向き調査を行った。調査項目は年齢、紹介元診療科および入院原因疾患、摂食機能訓練介入の有無および介入期間、VFおよびVE検査の施行状況、退院後の経路を抽出し、紹介元診療科別に比較検討した。
【結果と考察】対象患者の平均年齢は71.0±17.5歳で、年齢区分別にみると65歳以降が308名(77%)を占めていた。当センターでは脳神経内科からの紹介が105名(29%)と最も多く、次いで救命救急センター85名(24%)、脳神経外科33名(9%)、消化器外科27名(8%)で、他施設の報告と比較し脳神経内科からの紹介患者が多かった。入院原因疾患でみると、脳神経内科では神経疾患患者(PD関連疾患、髄膜炎、脳炎等)が55名(52%)で脳卒中患者36名(34%)より多く、救命センターでは脳卒中患者が46名(54%)で最も多かった。退院後の経路は、自宅退院が小児科6名(86%)、脳神経内科39名(37%)の順で多く、転院は心臓血管外科10名(100%)で最も多かった。VF検査状況は、腎臓膠原病内科の3名(43%)、消化器外科の9名(33%)においてVF検査が複数回施行されていた。腎臓膠原病内科では自己免疫疾患に対するステロイドパルス治療前後でVF検査による嚥下機能再評価を行うことが多かった。また消化器外科では機能訓練介入日数が平均45.7日と最も長く、機能訓練介入し嚥下機能改善および食形態調整のため再評価が必要となった。245名(62%)が転院となり、退院後も継続的なリハビリが必要であることがうかがえた。今回の調査をふまえ、当センターでは自宅退院を見据えた機能訓練および指導や転院先との連携の必要性が示唆された。
COI開示なし
福岡大学倫理審査委員会承認番号H20-03-006