一般社団法人日本老年歯科医学会 第32回学術大会

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

[摂食P-23] 摂食機能療法専門歯科医師としてかかわった特別養護老人ホームでのミールラウンド

○石川 健太郎1 (1. 昭和大学歯学部スペシャルニーズ口腔医学講座口腔衛生学部門)

【目的】行政と地域歯科医師会が実施している特別養護老人ホーム歯科協力事業における入所者の摂食嚥下指導のうち,指導医として関与した多職種によるミールラウンドの概要について報告する.
【概要】ミールラウンドは月2回実施されており,摂食機能療法専門歯科医師資格取得後の2016年7月から2020年12月までの期間で,実施回数104回,延べ356名の指導に関与した.ミールラウンドのメンバーは地域歯科医師会所属の歯科医師1名,大学より派遣される本学会摂食機能療法専門歯科医師の資格を有する歯科医師1名,特別養護老人ホームより看護師1名,管理栄養士1名,社会福祉士1名,介護福祉士1~2名のである.本ミールラウンドには,医師,歯科衛生士,各種療法士は参加していない.そのため,各メンバーが足りない職種の領域をカバーしあいながら超職種型チームによるミールラウンドを実施している.具体的に,歯科医師は摂食嚥下機能の評価を行うだけでなく姿勢調節に関する評価指導も実施する.口腔清掃に関する内容は看護師,介護福祉士が分担して実施している.また,施設の嘱託医師による全身状態や栄養状況に関する情報は看護師と管理栄養士が協働して管理している.ミールラウンドは,事前カンファレンス・摂食時評価・事後カンファレンスの順で進行し,1回あたり4名前後を対象としている.事前カンファレンスにより対象となる入所者について,評価対象となった経緯,現在の身体状況および最近の食事摂取状況に関する情報共有を行う.その後,各フロアにて入所者の摂食時評価と現場スタッフへの指導を行う.必要に応じて,家族立会いのもと施設での食事提供に関する方針決定や一時帰宅時の注意点に関する指導も実施している.その後,事後カンファレンスを行い評価,指導内容および今後の対応を多職種にて協議し,文書にまとめている.また,ミールラウンドでは解決が困難な問題については,ミールラウンドに含まれていない職種の評価・指導が実施できるよう調整を行っている.その結果は以降のミールラウンドにおいて報告され,最終的な指導内容決定に反映される仕組みとなっている.
本発表にあたり多大なる協力をいただきました東京都大田区蒲田歯科医師会(佐藤充宏会長)の関係者に感謝申し上げます.(COI開示:なし)