[O12-01] 救急・集中領域に勤務する各キャリア段階にある看護師の終末期に関する学習ニーズ
キーワード:終末期、学習ニーズ
【目的】救急・集中領域で終末期を迎える患者の看護を実践する各キャリア段階の看護師の学習ニーズを明らかにする
【方法】新人・若手・中堅の各キャリア段階にある看護師を対象に、救急・集中領域で終末期を迎える患者に関する看護の学習ニーズについて半構造的面接を実施した。面接内容の逐語録から終末期看護に関する学習ニーズを表現している内容を抽出し、意味内容を損なわないよう要約してコードとした。類似性によってコードを統合して抽象度を上げ、カテゴリを生成した。
本研究は、研究者が所属する施設の倫理審査委員会の承認を受けて実施し、対象者には文書を用いて研究目的や不参加による不利益がないことを説明し、同意書を得た。
【結果】参加者は新人6名、若手8名、中堅6名の計20名であった。新人看護師では<患者の意思を知る方法>や<場に応じた家族への接近方法>など7カテゴリの学習内容に関するニーズと、<先輩のサポート>など2カテゴリの学習方法に関するニーズがあった。若手看護師では<患者の本当の気持ちに添う方法>や<家族の気持ちや要求に沿った対応の方法><医師と看護師の考える終末期の違い>など8カテゴリの学習内容に関するニーズと、<他の看護師の知識や経験を知る方法>など2カテゴリの学習方法に関するニーズがあった。中堅看護師では<患者の尊厳を守る方法>や<家族が求める終末期看護>、<終末期に多職種でかかわる方法>など5カテゴリの学習内容に関するニーズと、<議論で得た知見を終末期看護に活かす方法>など2カテゴリの学習方法に関するニーズがあった。
【考察】学習内容に関するニーズは、患者に関する内容、家族に関する内容、チーム医療に関する内容に分けられ、各キャリア段階で異なっていた。患者に関する内容は、新人看護師では<患者の意思を知る方法>であったが、若手看護師では<患者の本当の気持ちに添う方法>と患者に寄り添う方法が求められ、中堅看護師では<患者の尊厳を守る方法>とより患者を尊重したいというニーズに変化した。家族に関する内容は、新人看護師では<場に応じた家族への接近方法>という接近するためのニーズが、若手看護師では<家族の気持ちや要求に沿った対応の方法>と家族の気持ちをくんだ看護のためのニーズになり、中堅看護師では<家族が求める終末期看護>という家族が求めることを理解してケアを提供できるよう学びたいというニーズに変化した。チーム医療について、新人看護師ではカテゴリが生成されなかった。若手看護師は<医師と看護師の考える終末期の違い>を知りたいと思い、中堅看護師は<終末期に多職種で関わる方法>を学ぶことで看護師の専門性を活かしたいというニーズになったと考えた。
学習方法に関するニーズも各キャリア段階で異なっていた。新人看護師の<先輩のサポート>を得て学ぶというやや受動的な状況から、若手看護師は<他の看護師の知識や経験を知る方法>になり、中堅看護師は<議論で得た知見を終末期看護に活かす方法>となった。新人看護師は、自分のケアや考えについて先輩の承認を得たいためと考える。若手看護師は、他者の意見を聞いて自身の終末期ケアを確認し、不足している知識の焦点化をしたいのだと考えた。中堅看護師は、他者と議論をすることで、看護を振り返り、新たな方法を自身の引き出しに加えたいという思いがあると考えた。
【結論】各キャリア段階で学習内容や学習方法のニーズは異なるため、それぞれの段階に合わせた終末期看護に関する教育を設計する必要が示唆された。
本研究は平成28年度日本クリティカルケア看護学会研究費助成を受けて実施しました。
【方法】新人・若手・中堅の各キャリア段階にある看護師を対象に、救急・集中領域で終末期を迎える患者に関する看護の学習ニーズについて半構造的面接を実施した。面接内容の逐語録から終末期看護に関する学習ニーズを表現している内容を抽出し、意味内容を損なわないよう要約してコードとした。類似性によってコードを統合して抽象度を上げ、カテゴリを生成した。
本研究は、研究者が所属する施設の倫理審査委員会の承認を受けて実施し、対象者には文書を用いて研究目的や不参加による不利益がないことを説明し、同意書を得た。
【結果】参加者は新人6名、若手8名、中堅6名の計20名であった。新人看護師では<患者の意思を知る方法>や<場に応じた家族への接近方法>など7カテゴリの学習内容に関するニーズと、<先輩のサポート>など2カテゴリの学習方法に関するニーズがあった。若手看護師では<患者の本当の気持ちに添う方法>や<家族の気持ちや要求に沿った対応の方法><医師と看護師の考える終末期の違い>など8カテゴリの学習内容に関するニーズと、<他の看護師の知識や経験を知る方法>など2カテゴリの学習方法に関するニーズがあった。中堅看護師では<患者の尊厳を守る方法>や<家族が求める終末期看護>、<終末期に多職種でかかわる方法>など5カテゴリの学習内容に関するニーズと、<議論で得た知見を終末期看護に活かす方法>など2カテゴリの学習方法に関するニーズがあった。
【考察】学習内容に関するニーズは、患者に関する内容、家族に関する内容、チーム医療に関する内容に分けられ、各キャリア段階で異なっていた。患者に関する内容は、新人看護師では<患者の意思を知る方法>であったが、若手看護師では<患者の本当の気持ちに添う方法>と患者に寄り添う方法が求められ、中堅看護師では<患者の尊厳を守る方法>とより患者を尊重したいというニーズに変化した。家族に関する内容は、新人看護師では<場に応じた家族への接近方法>という接近するためのニーズが、若手看護師では<家族の気持ちや要求に沿った対応の方法>と家族の気持ちをくんだ看護のためのニーズになり、中堅看護師では<家族が求める終末期看護>という家族が求めることを理解してケアを提供できるよう学びたいというニーズに変化した。チーム医療について、新人看護師ではカテゴリが生成されなかった。若手看護師は<医師と看護師の考える終末期の違い>を知りたいと思い、中堅看護師は<終末期に多職種で関わる方法>を学ぶことで看護師の専門性を活かしたいというニーズになったと考えた。
学習方法に関するニーズも各キャリア段階で異なっていた。新人看護師の<先輩のサポート>を得て学ぶというやや受動的な状況から、若手看護師は<他の看護師の知識や経験を知る方法>になり、中堅看護師は<議論で得た知見を終末期看護に活かす方法>となった。新人看護師は、自分のケアや考えについて先輩の承認を得たいためと考える。若手看護師は、他者の意見を聞いて自身の終末期ケアを確認し、不足している知識の焦点化をしたいのだと考えた。中堅看護師は、他者と議論をすることで、看護を振り返り、新たな方法を自身の引き出しに加えたいという思いがあると考えた。
【結論】各キャリア段階で学習内容や学習方法のニーズは異なるため、それぞれの段階に合わせた終末期看護に関する教育を設計する必要が示唆された。
本研究は平成28年度日本クリティカルケア看護学会研究費助成を受けて実施しました。