第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

シンポジウム

09-1:職種別

シンポジウム26:在支診薬剤師の可能性

2024年7月20日(土) 16:30 〜 18:00 第7会場 (会議室304)

座長:大須賀 悠子(医療法人社団フィーカ)、行田 泰明(わたクリニック船堀)

17:00 〜 17:20

[S26-2] これからの在支診薬剤師と病院薬剤師の連携について考える

*城山 亮輔1 (1. 東京大学医学部附属病院 薬剤部)

【略歴】
 2012年3月 東京理科大学薬学部薬学科 卒業
 2012年4月 東京大学医学部附属病院 薬剤部 研修生
 2012年7月 東京大学医学部附属病院 薬剤部 入職
【主な専門分野】
 緩和医療薬学
【主な学会等活動歴】
 東京都病院薬剤師会 専門薬剤師養成部緩和医療領域薬剤師養成小委員会 委員
 日本緩和医療薬学会 次世代緩和医療薬学提案(将来構想)タスクフォース 委員
【有資格】
 日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師
 日本緩和医療薬学会 麻薬教育認定薬剤師
【受賞歴】
 第27回日本医療薬学会年会 優秀演題賞
患者さんとその家族が地域でより良く過ごすため、在支診薬剤師と病院薬剤師はどのような連携をおこなえばよいのだろうか?
 厚生労働省によると、我が国は少子高齢化・人口減少により、地域ごとに差はあるものの急性期医療の需要は徐々に低下し、介護・在宅医療のニーズが高まることが予測されている。令和6年度診療報酬改定においても医師・病院薬剤師と薬局薬剤師の協働による地域医療連携の円滑化に関する内容が盛り込まれている。このような背景から、もはや病院薬剤師は「病院の中」だけでなく、患者さんとその家族が過ごす「地域」を考え、そこで活動している医療者と密に連携していくことが強く求められている。
 これまで在支診薬剤師と病院薬剤師の連携に関してはほとんど議論されておらず、連携するにあたっての具体的な方法に関する情報は少ない。私は患者さんと関わる中で、幸運にも在支診薬剤師との連携機会に恵まれた。その経験を踏まえると、患者さんに対してシームレスな薬物療法を提供するためには、患者さんが退院する前に在支診薬剤師と病院薬剤師が顔を合わせ、薬物療法を含めた様々な面について情報共有することが重要と考える。また、患者さんが退院した後も在支診薬剤師から病院薬剤師に対して入院中の経過等について気軽に質問できる環境整備も重要と考える。
 私からは急性期病院で働く薬剤師の立場から、実際に在支診薬剤師との連携体験を踏まえ、これからの在支診薬剤師と病院薬剤師の連携の在り方について講演予定である。私自身もシンポジウム全体を通じ、在支診薬剤師の考え方や実際に在支診薬剤師と関わった経験のある医師の意見を通じて学びを得たいと考えている。会場での活発な意見交換ができれば幸いである。