第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

ポスター

06-2:事業所運営・経営

一般演題(ポスター)事業所運営・経営

2024年7月20日(土) 14:45 〜 15:25 ポスター会場1 (コンベンションホールA)

座長:遠矢 純一郎(桜新町アーバンクリニック)

14:55 〜 15:00

[P-1-98] 在宅診療所内の心理的安全性を高める取り組みについて。

*佐々木 将人1、松原 有咲1、本多 小百合1、石井 洋介1 (1. 医療法人社団 おうちの診療所)

はじめに
心理的安全性は組織のパフォーマンス向上や従業員のウェルビーイングなど様々な面に関係していると言われている。そこで、当院でも心理的安全性を7項目で測定し、それを高めるため、以下の活動を行った。

活動
開設当初。ビジョン・ミッションにつながる行動指針がなかった為、常勤職員全員で行動指針を作成するワークショップを実施。創業期メンバー以外の職員が急激に増加した時期には、組織が大切にする価値観や方針などを定期的に提示することや職員同士の交流を促進できる取り組みを実施しはじめた。組織の人事課題が発生する毎に心理的安全性を主軸に様々な取り組みを行ってきた。現在は、半年ごとに、組織方針提示と組織課題を自分ごと化していくためのワークショップ・月一度90分間、職員の関係性に注力したワークショップ・隔週で対話を通じて相手の力を引き出すピアコーチング・新入職員のオンボーディング、メンター制度など導入。

考察
上記の時期や職員の入職タイミングによって、心理的安全性を妨げている要因は異なると考えられたため、様々かつ多面的な取り組みが必要であったと考える。2023年3月、退職者が増加したタイミングで、心理的安全性指標は最も低値を示した。その後、取り組みを見直し、2023年10月、測定項目7つすべてが改善。特に、当院が大事にしている「チーム内のメンバーにはヘルプを出しやすいですか?」の項目は、1.26ポイント向上した。発表時は、約2年間の活動と心理的安全性指標の数値(測定回数5回)の推移を交えて発表する。今後は、測定してきた心理的安全性指標が、当院が独自に定める診療の質の指標や人材確保(職員の離職率)等への影響も精査していきたい。